おがら
'2010-07-13 16:40:32')
皆様いつも有り難うございます、
玉川屋呉服店の石井貴彦です。
一年の内には色々な節目があります。
お正月、立春、梅雨明け・・・時候や気候もあれば
春四月のスタートや、夏物への模様替え、創業の月・・・等仕事に関すること、
誕生日や結婚記念日・・・・自分にとっての大切な日もあります。
一年を通して、一つ一つ節目をすぎてゆくことになるのですが
一つの節目を越す度に、ちょっとホッとした気分になります。
前の時から一年が過ぎて、また新しい一年が始まる
特別な大きな事でなくとも、節目を越えるとそんな気がします。
この間の日曜日には、ブログのページにも書きましたが
お寺さんにおいでを頂いてお盆のご供養をいたしました。
三世代の身内が集まり、
受け継がれてきたことをまた子供に伝えてゆく。
忙しく過ごす普段の生活の中では、ついつい流してしまいがちなことも
またあらためて向かい合うことが出来ます。
店の仕事も、子供達の学校も、日常の生活も、
その前後でなにかが急に変わるわけではないのですが
一つの役目を終えた気がして
また今週からは新しいスタートとなります。
夏本番の玉川屋を、どうぞまたよろしくお願いをいたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
お盆の時に焚く、お迎え火やお送り火。
おがらと呼ばれる細い枝を、ほうろく皿に組んで
火を焚きます。
「おがら」と呼んでおりますが
昨日使ったものには包みに「麻がら」と書いてありました。
「苧殻」や「麻幹」と書いたり、「あさがら」と呼ぶこともあるようで
皮を剥ぎ取った麻の茎の事をさします。
ひと口に、「麻」と言っても
アサ科の大麻、アマ科の亜麻やイラクサ科の苧麻(カラムシ)、
シナノキ科の黄麻(ジュート)、などなど、色々な種類があって
それぞれ全く別の種類の植物となってきます。
繊維として利用されるそれらの植物を総称して、一般的に「麻」と呼ばれますが
越後上布などに使われますのは「苧麻」になりますし、
衣類などには「亜麻(リネン)」や「ヘンプ(有害成分を取り除いた大麻草)」
なども使われております。
(衣料業界では、品質表示法により定められている「麻」は
「苧麻」と「亜麻」になるそうです。)
麻は、古くから神事に使われたり、実用品としても、
日本の風土や文化にも古くから根付いておりました。
麻は生育も早く、
小さい頃に読んだ本で「忍者が修行するときに麻の種を植える」、
毎日その上を飛ぶ鍛錬を続けると、毎日伸びる麻の高さにつれて
跳躍力が上がってゆく・・・そんな話があったことを覚えています。
麻衣子や麻美・・・女の子の名前にも「麻」の文字の付く名前も多いのは
そんな、健やかな成長を願ってのことではないでしょうか。
張りがあって涼しく、お家で洗えてお手入れもしやすい、
夏の着物や襦袢としても、お勧めしやすい「麻」の素材・・・
なにげなく「麻」と言ってはおりますが、
その歴史や由来、伝統など、色々調べてみると
とても奥深いものでありそうです。
来月には、また越後の機屋さんをまわってまいりますので
色々なお話が伺えれば、お店やホームページで、
少しずつでもご紹介して行ければと思っております。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
夏本番の玉川屋では、今年前半の感謝をこめての
在庫一掃のサマーバーゲン「夏の市」を開催中です。
着物や帯、夏物・冬物ともに、2割引にてのご奉仕中です!
決算時期と言うこともあり,さらに・・・
着物と帯を、セットでお求めの方には
「本麻襦袢」または「正絹 絽襦袢」を、プレゼント致します。
玉川屋の夏のお休み前の、8月7日(土)まで
渋谷の玉川屋呉服店にて、開催中です。
是非お気軽に、お遊びにおいで下さいませ。
「夏の市」・・・ご案内はこちらでご覧下さい
おいでの時には、
「玉川屋うすものギャラリー」で、お気に召したお品探して見てから、ぜひどうぞ!
・・・こちらから
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
お盆のお迎え火を焚く時に、小さな甥っ子が煙たがって
家のドアを閉めようとしておりました。
「せっかく帰っていらしたご先祖様が、お家の中に入れないよ」
そんな話をしてみると、小さいながらにも、
お盆の供養の意味が少し分かったようです。
一つ一つの事柄に、
目に見えない意味合いや歴史や想いがあることに
「お迎え火」や「おがらの麻」などふとした事で
気が付く日でもありました。
平年ですと、この週末ごろが東京の梅雨明けとなります。
雨が上がるといよいよ夏本番、
暑さも厳しさを増してまいりますので
どうぞ十分にご自愛の上お過ごし下さいませ。
「着物つれづれなるままに」・・いままでの目次には、こちらから
今の季節を楽しみたい・・玉川屋のホームページへは、こちらから