結城紬の産地見学 その三
'2011-03-07 22:57:10')
こんばんは、玉川屋呉服店の石井貴彦です。
数日前からの、結城の産地見学のお話しの続きを・・・
前回の、紬糸の糸取りの話しでご覧を頂きましたように
真綿の中から糸を引き出してまいりますので
その糸には、しぜんと節のある風合いとなってまいります。
織っている機に掛かっている糸をよく見てみると
その糸の節の様子が、良くお分かりを頂けるかと思います。
機織りは、経糸(たていと)を
筬(おさ)という櫛の様な道具の隙間に、糸を一本ずつとおして、
上下に開いた経糸(たていと)の間に、緯糸(よこいと)を通して
生地として織り上げてまいります。
写真から、その様子はお分かり頂けますでしょうか?
(下の写真は、先日の産地見学の折りに、私が体験した時の写真になります)
細い櫛の間に、節のある紬糸を通しますので
「糸が引っかからないのですか?」と素朴な質問をしてみると
織り子さんが、今日のブログの一番上にある写真に見える
機織り機の上にある蛍光灯の上を、指でなぞってくれました。
なぞった指には、細かな綿埃が沢山付いています。
織ってゆく内に、筬(おさ)の櫛が、糸の毛羽をしぜんと梳いてゆくうちに
そうして溜まってゆくそうです。
真綿から、引き出すように紡いでくる糸ですので
糸のままではとても弱いそうです。
ちょっと引っ張ってみると、ふっと途切れてしまう真綿糸・・・
でも織り上げてゆき、生地となると
不思議なほど丈夫な風合いを生み出します。
それでも、一反を織り上げる間には
何度も、何度も、経糸が切れる事があるそうです。
そのたび、糸を繋ぎ直しながら、織り続けるそうです。
織っている時間と、糸をつぎ直す時間、
どちらが多いかな? 織りの具合のよっては
そう思う事もあるそうです。
18日(金)、19日(土)の2日間は
結城の産地から、上に書きました「糸引き」の職人さんに
玉川屋のお店に来てもらっての実演を致します。
私も先日見学した折には、自分でも色々体験をさせて頂きましたが
(後で見てみると、スーツ姿で作業をしていると、どうにもミスマッチな感じですよね)
期間中は、おいで下さったお客様にも、
ご自分で「糸引き」の体験をしてみて頂けます。
写真や、文章だけでは、感じていただけないこと、
ぜひ、玉川屋のお店で実感してみて下さいませ。
今日も雪降る寒い日でしたが
当日には、春らしい、お出かけにも楽しい陽気となっております事を
私共も待ち望んでおります。
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