皆様いつも有り難うございます、玉川屋呉服店の石井貴彦です。
暑さ厳しい日と、急な大雨が交代で続いておりますが、
お変わりなくお過ごしでしょうか。
夏も盛りと言いながらも
暦の上ではあと半月ほどで秋を迎えます。
24節季のうち、立夏・立秋・立冬・立春の
それぞれの前18日間が「土用」と呼ばれます。
万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなり、
その五元素が、互いに影響を与え合い、その相互の作用によって天地万物が変化し循環する・・という
五行の思想では、四季それぞれに
春には木、夏には火、秋には金、冬には水の気をあて
残った土の気は季節の変わり目にあてられて、その時期は
土の作用する期間として「土用」と名付けられました。
各土用の最初の日は「土用の入り」とよばれ
土用の明ける、最後の日に当たるのは、立秋、立冬、立春、立夏の四立の日となります。
上記のように、本来は四季それぞれに「土用」はあるのですが
その中でも、7月下旬から8月初めの盛夏にあたる立秋直前の「土用」は
他の時期とは区別されて扱われる事が多くもありました。
暦と農業は密接に結びついており
稲の育つ時期でもあり、暑さや雨の具合など耕作や収穫への影響も大きな時である
この時期の「土用」は、ほかと違う意味合いがあったかと思います。
さらにその中でも、よく聞かれるのは「土用の丑の日」・・
炎暑厳しい夏場の「土用」の期間中に、
(各日に十二支を割り振った暦から)「丑の日」が重なる日を指します。
この時期には、繁盛する鰻屋さんのニュースなどが報道されますが、
ちなみに、18日間の「土用」の間の各日に十二支をそれぞれ割り振りますので
「土用の丑の日」は年によって、1回であったり、2回の年もあります。
「土用の丑の日」に鰻を食すことに関しては、
俗説では、鰻屋から相談を受けた江戸時代の学者である平賀源内が
「本日土用丑の日」と張り紙させたところ、大繁盛した・・逸話がよく聞かれますが
大名から土用に沢山の鰻の注文を受けた鰻屋が、「子の日」「丑の日」「寅の日」と三日続けて
大量の蒲焼きを焼いて保存していたところ、「丑の日」に焼いたものだけが悪くならずにいた・・
「鰻(うなぎ)」に限らず「梅干し(うめぼし)」や「瓜(うり)」「饂飩(うどん)」など
「う」の付くものを食すると夏バテをしない・・・
といった、説もあるようです。
梅干しは、その酸味が唾液の分泌を流して食欲の増進の作用もあり
豊富に含むクエン酸は、疲労回復や、食中毒を起こす細菌を抑える作用などもあります。
「胡瓜(きゅうり)」「西瓜(すいか)」「冬瓜(とうがん)」「苦瓜(ごーや)」など
瓜科の野菜は、身体の温度を下げる作用があり、高血圧やむくみに良く作用するカリウムも多く含みます。
「饂飩(うどん)」も、夏バテの食欲のない時にもたべられる、消化吸収の良い食品です。
「鰻(うなぎ)」は、奈良時代の歌人の大伴家持が詠んだ戯歌として
「石麻呂に 吾もの申す 夏痩せに よしといふものぞ 鰻とり食せ」
(石麻呂どのに、私は申し上げます。夏痩せによいと言われておりますぞ。
ウナギをとってお食べ下さい。)
「痩す痩すも 生けらばあらむを 将やはた 鰻を漁ると 河に流るな」
(痩せておりましても生きていられればよいのですから、
やはりまたウナギをとろうなどとして川に流されますな。) と、
沢山食べても飲んでも、太らず痩せたままの「石麻呂(本名・吉田連老)」を
からかった戯歌として、万葉集にも残されており、
この頃すでに、鰻の栄養価が高いとされていた事が分かります。
鰻は、冬を越す為に脂肪を蓄え身も柔らかくなる秋口が、本来は一番の旬でした。
夏には売上が落ちる事もあったかと思うと
「土用の丑の日」のキャッチコピーが考えられたのも分かる気もします。
当時は、鰻はすべて天然で捕れるものだったのでしょうが
現在では、天然の鰻はほんの少量となってしまっており、養殖の鰻がほとんどであれば
前述の旬の時期の考えは当てはまらず、
この時期に、夏バテを防ぐビタミンを豊富に含んだ鰻を食すのは、理にかなった事にもなります。
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■勝手ながら、日曜日と7月25日(木)、29日(月)は
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日毎に、陽気や気温の差が大きいのが
今年の夏の特徴のようです。
お疲れも出ませんよう
どうぞお大事にお過ごしになって下さいませ。
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