こんばんは、玉川屋呉服店の石井貴彦です。
「何(いず)れ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」
菖蒲と杜若は、似ていて区別がつきにくいところから
どちらも優れていて優劣がつけにくいこと・・・を意味する言い回しです。
アヤメ、杜若、花菖蒲・・・同じ花のように見えはいたしますが、
実際には、咲く場所と時期、花の大きさ、花の模様など、それぞれに違いがあります。
アヤメは日当たりの良く排水の良い所に5月頃に花が咲き、
杜若や花菖蒲は、日当たりの良い湿地に咲き、6月頃が花の見頃となります。
花の具合は、同じようにも見えますが
アヤメには花弁に網目状の模様が目立ち、
杜若はめくれ上がった中央に白い筋が入り
花菖蒲は大輪の花弁の根元に黄色い筋が入ります。
それぞれの花の名前も、その花の特色から名付けられたようです。
アヤメ・・・花弁の綾(あや)の目の模様のから、
杜若・・・・紫の花の汁で布を染めた所から、画付花(かきつけばな)と
呼ばれたところから、
花菖蒲・・・葉の形状が"菖蒲"に似ていて、綺麗な花を咲かせる所から
ややこしいのは、この花菖蒲の名前の云われ・・
「葉の形が"菖蒲"に似ていて」のこの "菖蒲" ってじゃあ何に? って、ところです。
上に書いた三つの花は、共に「アヤメ科」の植物、
それとは別に「サトイモ科」の「菖蒲」があるのです。
端午の節句に "菖蒲湯"として葉を使う「菖蒲」はこちらになります、
花は、大きな花弁ではなく、葉の途中から穂がでたような形になります。
さらに、アヤメも漢字で書くと「菖蒲」の文字が当てられますので、
(パソコンで、 "あやめ" と打って、変換してみて下さい)
アヤメ、杜若、花菖蒲、そして葉の菖蒲、の4つの区別が
よりつきにくく、なってしまっているのです。
そんな花菖蒲は、ちょうど今頃が見頃となっております。
写真は、玉川屋のお店からも歩いて行ける明治神宮の御苑にある菖蒲園に咲く
花菖蒲の写真です。
今年はなかなか気温が上がらなかったせいか、
いつもの年だと6月の初めから咲きそろう花菖蒲が
ちょうど今の時期が、盛りの見頃となっております。
原宿や表参道の街の賑わいから、一歩はいると
清々とした、凛とした木々に囲まれた御苑、
マイナスイオンでいっぱいの小径を歩くだけで
気分が爽やかになってまいります。
日常から少しはなれて気分転換・・に、ぜひお勧めです。
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