汕頭刺繍 帯芯
'2014-06-24 22:59:49')
皆様いつも有り難うございます
玉川屋呉服店の石井貴彦です。
袋帯や名古屋帯、染帯、といった帯には
帯芯を中に入れてお仕立をいたします。
木綿素材や絹素材など、芯地の種類も様々ですが
通常は木綿地の芯地を使うことが多く、
使う帯芯地の厚さや地風も
仕立てる帯の風合いや具合によって
かえながらお仕立をいたします。
写真は、細やかな刺繍がお太鼓全体に広がる
汕頭刺繍の袋帯です。
糸をかがって、生地には窓のように隙間を空けて
柄を表現しますので
裏地や芯が、透かせたように映ります。
普通の帯には、白い芯をお入れしますが
この帯の場合は、地色自体が微妙な生成のお色目です。
真っ白い芯が当たると、そこだけが
白く目立ちすぎて帯の雰囲気と沿いませんでしたもので
表地と同地様な色合いの、カラー芯をお入れすることにしました。
色の付いた帯芯は、写真のような色見本があり
うまく合う色目があれば、芯屋さんに注文をして
取り寄せます。
今回は、色々な見本帳の色目を試してみましたが
ちょっとだけ濃かったり、白っぽかったり、と
しっくりくる色が見つからず・・・
せっかくならば、素敵にお仕立上げたく
白い帯芯を、誂えでお染めすることにいたしました。
色無地の着物や、着物の八掛地を
染めるときに使う色見本帳より、
丁度良い色目が見つかり、染め屋さんに。
真白ではなく、ほんの少しだけ色づく
色名も「白よごし」
仕立上がりも、帯本来の趣きを
しっかりと引き立てる雰囲気となりました。
汕頭刺繍や櫛織りの帯など
微妙な透け感のある帯の場合には
こうして色の染まった芯をお使いすることがございます。
お品にもよりますが、夏帯の場合などは
白い帯芯か、色つきの帯芯か、によって
◆ 白い芯を透かせて涼感たっぷりの盛夏向き・・
◆ 色つきの芯で、袷の終わりから、単衣向きにも・・など
帯自体の、季節感や雰囲気を変えることも出来ます。
お着物だけでなく、帯のお仕立も
どうぞ何でもお気軽にご相談下さいませ。
「着物つれづれなるままに」・・いままでの目次には、こちらから
今の季節を楽しみたい・・玉川屋のホームページへは、こちらから