こんにちは、玉川屋呉服店の石井貴彦です。
大寒を迎えた昨日は、東京では3月下旬の気温という
穏やかな陽気の一日となりました。
「大寒」は二十四節気の一つで
一年中で最も寒い時期とされる時期で
「小寒」、「大寒」・・と続いた次の節気が「立春」となり
暦の上ではここから春となってまいります。
「立春を迎え、暦の上では春とはいえ、寒さまだまだ厳しく・・」そんな書き出しが
手紙の文例集などには載っておりますが
「大寒とはいえ、春を思わせる暖かさが・・」
このところの陽気では、そんな書き出しになるのでしょうか。
今朝の新聞に、新潟県妙高の「雪ざらし」の記事が出ておりました。
着物の越後上布にも「雪ざらし」がありますが、
今日の記事は「かんずり」と呼ばれる辛味の調味料をつくるために
唐辛子のアクを抜く、唐辛子の「雪ざらし」の記事でした。
唐辛子を雪の上にさらして、3日ほどすると、
塩分とアクが抜けて甘みが増してきて、繊維も軟らかくなってくるそうです。
その唐辛子を、塩・麹・柚と混ぜてすりつぶしたものを
2,3年寝かせてあげて「かんずり」となります。
その唐辛子の「雪ざらし」を始めるのが、冬の寒さ厳しい「大寒」の日だそうで、
「かんずり」の語源は、「寒づくり」とも言われているそうです。
写真を見ると、青い空と真っ白な雪に
真っ赤な唐辛子のコントラストが、とても綺麗に見えます。
もう一方の「雪ざらし」、
越後上布の雪ざらしは、冬から春にかけての頃になります。
2月を過ぎた頃から、晴れた日に雪の上に織った麻の生地を並べてさらします。
雪が溶け始める頃の時期に、
積もった雪の上に麻の反物を並べて置いておくうちに、
麻の地がすっきりと綺麗になり
絣の柄もはっきりと浮き上がっててまいります。
雪国の経験則から自然と成り立ったのでしょう上布の雪ざらしですが
布の下の雪が太陽の熱で溶けて蒸発する時に発生する
オゾンの酸化作用で布が漂白されるという、
「酸化漂白」と呼ばれる
実際の科学的な作用もあっての事だそうです。
以前に行いました玉川屋でのトークショーの「麻の産地の話」の中でも
越後上布の雪ざらしのことをご紹介しております。・・・クリック
(このコーナーの5ページ目になります)
季節の移り変わり、暦の時候に合わせて
受け継がれてまいりました習慣や伝統、技法やしきたり、
日常の中で、ちょっと意識してあげる事で
普段の生活のよいアクセントになる事と思います。
明日は、また寒さが戻ってくるようです。
冷え込む夜には、「かんずり」を薬味に、温かいお鍋はいかがですか。
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戦後日本が初めて参加したヘルシンキでの夏季オリンピック。
前年に締結したサンフランシスコ平和条約が発効。
硬貨でかける公衆電話が登場。
手塚治虫の「鉄腕アトム」が連載開始。
NHKラジオ「君の名は」がスタート。
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いくつか書き出してみた出来事は、昭和27年の出来事です。
明日から始まる、玉川屋の新春吉例の「半額奉仕市」は
その昭和27年に始まり、今年で58回目をむかえます。
人間の年で言えば還暦近くまで、
毎年、一月のお店で賑やかに会を開かせて頂く事の出来ますのは
おいで下さいます皆様方に、毎年お喜びを頂けているからと、
準備が終わり初日を迎えるます時には、いつもありがたく思っております。
お店の中にも、紅白の幕を張って
賑やかな店内に準備も出来上がりました。
普段は棚にしまってあるお品も、お手にとってご覧を頂けますよう
全部お出ししてお目にかけております。
「半額ご奉仕市」のご案内はこちらでご覧下さいませ・・・クリック
お店の中の様子も、ホームページでご覧を頂けます・・・クリック
60年、70年・・・100年を超えて
みなさまに新春をお楽しみ頂ける、玉川屋の会であればと思います。
本年もどうぞよろしくお願いを致します、
そしてぜひお気軽に、お遊びにおいで下さいませ。
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お正月に、お着物姿の方を目にする機会が多かったせいか
「今年は、着物を着てみたいのだけれど・・」
そんな風にお店においで下さる方が、1月は多くなりました。
新しいお品をご覧になる方、
お母さまのお品をお直しして活用される方、
お若い頃のお着物をリメイクする方、
着物の楽しみをスタートするには、色々な方法がありますので
ご自分のペースで、先行き長く、じっくりと着物楽しむためには
お一人お一人に、色々な道がある事と思います。
そんな道を通じて
着物を楽しむお手伝いがさせて頂ければと思っております。
着物デビューの方も、着慣れた方も
お茶でも飲みにお遊びがてらで
どうぞお気軽に玉川屋へお寄り下さいませ。
寒暖の差のある日が続きそうです、
みなさま十分にご自愛の上お過ごし下さいませ。
「着物つれづれなるままに」・・いままでの目次には、こちらから
今の季節を楽しみたい・・玉川屋のホームページへは、こちらから