冬至
'2011-12-21 23:36:20')
こんばんは、玉川屋呉服店の石井貴彦です。
12月の22日、23日頃は、二十四節季の「冬至」にあたります。
太陽の高さが一年で一番低くなり、
昼が最も短く、夜が最も長くなる日でもあります。
ゆえに、古くより「陰極の極み」とされ
無病息災を願い、邪気を払う・・そんな意味合いから
柚湯にはいり、カボチャや冬至粥を食す、といった習慣も生まれました。
柚湯は、
そのままの果実や、輪切りにした実などを、
袋に入れて湯船に浮かします。
血行を促進する効果があるともされていますし
柚(ユズ)=融通(ゆうづう) や 冬至(トウジ)=湯治(とうじ)
といった、縁起の良い語呂合わせもあるようです。
カボチャは、
夏から秋にかけて収穫されますが冬場まで保存のきく食品でもあり
また、ビタミンAやカロチンが豊富で、野菜の少ない冬場の栄養食としても
重宝されたようです。
もう一つ、にんじん、れんこん、ぎんなん、うどん・・
冬至には「ん」のつくものを食すと、良い「運」を呼べるとの謂われもあり、
「南京(なんきん)」と言われるカボチャもその一つとなります。
冬至粥は、
冬の寒さの増す時期に暖かいお粥を食す意味もあるでしょうし
中に入る小豆も、赤の色には邪気をはらう謂われがあり
厳しい冬を迎える前に当たり縁起良く食します。
千両や万両といった赤い実を冬の飾りに使うことや
クリスマスにも柊のグリーンの葉と赤い実が飾られることを思うと
洋の東西を問わず、
厳しい冬の寒さの中でも暖かさを感じさせてくれる
華やかな赤い色への想いは共通だったのでしょう。
冬至は、別名「一陽来復(いちようらいふく)」とも呼ばれます。
「悪いことが続いた後に、幸運にむかうこと」であり
文の最初に、冬至の頃は「陰極の極み」と書きましたが
逆にそれは、「陽気始めて至る」=これから陽に向かう始まり、でもあるとされます。
(冬至に「ん」のつく食べ物が縁起良いとされますのも
「いろはにほへと」と続くの最後の文字が「ん」なので
ここから、また一に戻って始まるという意味合いもあるそうです)
冬の寒さもこれからではありますが
良い新たな年に向けてのスタートの時期を
どうぞ、お健やかにお過ごし下さいませ。
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