九月の節
'2011-09-08 07:54:40')
皆様いつも有り難うございます
玉川屋呉服店の石井貴彦です。
八朔(はっさく)・・
陰暦では毎月の月の初めを朔日とし
月の始まりの、一日を
月が立つ日・・つきたちび・・・ついたち、と呼んだ事から
朔日も、「さくじつ」「ついたち」といった様にも読まれます。
八月の朔日「八朔(はっさく)」は、
陰暦の八月初め、陽暦では9月のはじめ、に当たります。
秋の田が稲の実りに向かう時期でもあり、
「田の実(たのみ)の節」「田の面の節」として
祝い日の一つに数えられる事もあったようです。
稲の豊かな実りを祈願する祝い日として
初穂を献上したり、人に贈った風習もあったそうですが
後になり、「田の実(たのみ)の節」は、その語感から
「たのみ」「頼むの」縁語を用いることによって
主従や友人の間、各々お互いに頼みにする間柄の人へ
お互いに物を贈答し合うような、風習へとも繋がっていったようです。
おなじ「朔日」であっても、七朔や九朔とはあまり言われず
「八朔」だけが風習や行事として残っているのは
実り多い秋への願いや思いがあっての事と思います。
八月から、九月・・・暦が変わり、節が過ぎる事で
季節に対する気分は夏から秋へと
ほんの数日変わるだけの間でも、着実に変わってまいります。
同じ様に風が吹いても、風には爽やかさが増えた様な気がし
普段の生活の中にも、秋の色が目につく様になってきます。
「心地よい季節がやってくる」
厳しい残暑を越えたから今だからこそ、そんな気持ちが
秋の始まりには、より強くなるのではないでしょうか。
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春、夏、秋、冬・・・それぞれのシーズンを通して
「季節本番に一足早く」が、呉服屋の品揃えにはキーワードとなります。
お仕立や、裏地の染めにお時間を頂くという事もありますが、
「これから来る季節を、お店で感じて頂く・・」という
そんな、季節感豊かな日本の着物ならではの楽しみを
ご覧を頂ければと思います。
■9月 9日(金) より 13日(火) は
玉川屋の渋谷のお店にて
"お陰様で126年" 「秋の玉美衣裳展」を開かせて頂きます。
(期間中は、11日の日曜日もお店を開いております)
季節折々のお出かけをお楽しみ頂きたく
これからのシーズンに心地よくお召しになれる品々を
お揃えさせて頂きます。
新涼もましてまいります事と思います
皆様方のお出かけを、是非ともお待ち申し上げております。
▲詳しいご案内も、こちらでご覧下さい
お写真やタイトルのお品だけではなく、
色々なお着物や帯、お揃え致しております。
▲京都より織元が玉川屋にまいりましての「綴れ帯展」も
お陰様で今年で13年目を迎えます。
糸染め・織り・図案・・と、作り手さんならではのお話しも
オリジナルテイスト溢れるお品と共に、ご一緒にお楽しみ下さい。
▲期間中の、お買上へのご奉仕・サービス、
また、お手入れのサービスなど、もご用意しております。
ご案内のページでご覧になって、お店でお声がけ下さい。
秋から冬にかけてのお品、
夏の終わりから秋いっぱいお召し頂けるお単衣のコーディネート、
季節感や遊び心に、こだわりを楽しめる、お洒落着や帯、
あらたまった日のための、品格と華やかさのある礼装のお品、
七五三・十三詣り・成人の日のお祝い着 や 男の着物 、
玉川屋からの お勧めやご提案 ぜひお楽しみに、お遊びにおいで下さいませ!
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九月九日は「重陽の節句」、別名「菊の節句」とも呼ばれます。
陰陽の思想で縁起の良い数であるとされる陽の数(奇数)の
極めの数である「九」が重なるこの日は「重陽」と呼ばれて
端午や七夕と合わせて五節句の一つでありました。
「菊の節句」の "菊" は、
時期の花としての意味合いもありますが、
菊は古来より、長寿や延寿の功があるとされて
重陽の風習として、「菊酒」や「菊の着綿(きせわた) 」
といった習いもあったようです。
菊の花を醸したり浸したりした酒を飲み、
重陽の前夜に、綿で菊の花を覆い、花の露や香りを移したその綿で身を拭う・・・
そういった事で長寿を願う、習わしでもあったそうです。
新潟の機屋さんからは、美味しいお酒を頂戴しました。
「玉美衣裳展」の会期も、ちょうど「菊の節句」の時期でもありますので
菊の花びらを浮かべた菊酒を、ご用意してみようと思っています。
お好きな方は、綺麗なお着物とご一緒に
縁起のよい秋の始まりを、お楽しみになって下さいませ。
「着物つれづれなるままに」・・いままでの目次には、こちらから
今の季節を楽しみたい・・玉川屋のホームページへは、こちらから