皆様いつも有り難うございます、
玉川屋呉服店の石井貴彦です。
炎暑厳しい日が続いておりますが
お変わりなくお過ごしでしょうか。
玉川屋のある渋谷の街は、
仕事の方、買い物の方、遊びに来た方・・・
朝早くから、夜を通してまた朝まで
この暑さの中にも沢山の人出です。
私が中学生くらいまでは、周りにはビルもまだ少なく
昼間でも、窓を開けておくと、良い風が入ってまいりました。
お店の奥には当時は料亭さんも多く花柳界がありましたので
お三味線のお稽古の音が、風と一緒に流れてきたのが
小さい頃の夏の日のイメージとして残っています。
今では、街全体がビルばかりとなり
昔より上がっている気温だけではなく、
ビルや自動車のエアコンの外気、車のエンジンの熱、アスファルトの照り返し、
街中が熱を持ってしまい、風が吹いても
涼しいと言うよりは、熱気をもった空気が動いているだけ・・・
そんな感じさえします。
夜になっても熱を持ったまま、涼しくなる時間がない
そんな夏が、続いております。
いぜんは、店の前に水をまいて、打ち水をすると涼しさが増してまいりました。
道や街路樹に水をやると、見た目にも涼しそうになりますし、埃もおさわり
涼を呼びます。
でも今だと、店の前の熱せられたアスファルトの道路に水をまくと
すぐに乾いて、帰って蒸し暑くなるんじゃないかと、そんな風にも思えてきます。
土があり、樹があり、草花があり・・・
そんな中でしてこそ、しぜんと涼を呼ぶ打ち水かなと思います。
「緑陰(りょくいん)」
緑なす木々の中にはいると、
その木蔭では爽やかな涼しさにつつまれます。
葉の隙間からこぼれる陽差しと、深い緑に映る木蔭。
風が吹くと、一斉に葉が動き、蔭と陽差しが動き始めます。
実際にはほんの少しの風でも、大きな動き、うねりとなって
その中に身を置くことが、自然な蔭の作る涼しさを、より感じさせてくれます。
蔭の中にはいるとすっと涼しく、
外へ出た時にはまた暑い陽射しを強く感じて、
ちょとした蔭を求めて歩く時には、
ビルの蔭ではなく、緑の爽やかな木蔭を求めたい・・
コンクリートに囲まれたなかで、今年の夏は特にそんな思いを感じます。
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この夏も、ご愛顧を賜りまして、誠に有り難うございます。
玉川屋も、8月11日(水)より16日(月)まで
夏のお休みを頂戴致します。
お盆のお休みが明けますと、
夏のお品と、秋から冬にかけてのお品を
徐々に入れ替えてまいります。
夏物、冬物、ともに、一年を通してお店には
ご用意をしておりますのですが、
季節の移り変わりに合わせて、
店内の雰囲気や趣きも、また表情が変わってまいります。
夏から秋へ、
これからの玉川屋を、またどうぞよろしくお願い致します。
9月には、9日(木)より14日(火)まで
渋谷の玉川屋にて、「秋のよそおいの会」を開きます。
今年で12年目となります、京都の綴帯の折り工房「服部綴」の個展、
季節広くお楽しみを頂ける「単衣」とそれに「合わせる帯」、をはじめ
秋からのシーズンに向けてのご提案と、お勧めのお品たちをお揃え致します。
遊び心あるお洒落着、品格のある礼装、
そのどちらもが、日本の着物ならではの、楽しみと魅力であります。
秋からのよそおい、お楽しみに、是非またおいで下さいませ。
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今年の夏の暑さは、まだまだこれからが本番のようです。
夏の陽差しの強い分、
涼感ある薄物が、目にも心地よく映ってくる時期でもあります。
お召しのシーズンもまだまだこれからですので、
風合いも軽くて着やすいお品たち
どうぞ、沢山にお楽しみ下さいませ。
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