江戸小紋の染め
'2016-04-07 13:34:50')
先日染め上がりの江戸小紋、
以前に染めた江戸小紋の色目を参考に
色出しをして染めてまいります。
色無地や付下げの地色などは
色見本帳の色そのままで染め上がりますが
江戸小紋の場合は、
染めた地色に、白い粒が相まって
本来の地色とはまた違う雰囲気となって
目に映ってまいります。
生地端の地色の無地の部分と、
江戸小紋の染め上がりの部分と、
両方写っている写真をご覧頂くと
違いがよくお分かり頂ける事と思います。
一色の染めでは決して出せない、江戸小紋の「色」ですので
「江戸小紋は、色で着る」
江戸小紋の染め屋さんの、亡くなった先代のご主人からは
よくそう聞かされました。
ですので、江戸小紋を染め出す場合は
色見本帳でというよりは
以前に染めた江戸小紋の端切れを
染め見本とする事が多くなります。
同じ色で染めても、地色と白の部分のバランスが
それぞれの柄によって異なってきますので
染め上がりますと、一反一反またちがう表情にもなります。
以前に染めた事の無い、新しいイメージで・・・となると
無地の色から、江戸小紋の染め上がりの色を
自分の頭の中で想像しながら、色出しをして注文してまいります。
しばらくして、染め上がった反物が届いて生地を広げた時に
「これ!」って良い色目に染め上がっていた時の
嬉しい気持ちは格別ですし
そうしたお品を
「いい色ね」とお客様にお好み頂き、お作り頂く事が
呉服屋にとりましての、なによりの喜びでもあります。
着物や帯、江戸小紋に限らず
染めの品、織りの品・・・
お好みに合わせてのご注文でお誂えもさせて頂けます。
ご自分の思いのこもったお品がお手元にある事は
気持ちも豊かになりますし
お召しの時の気分がまた違う事と思います。
一つのお品を、永く大切にお召しになる・・
そうした、日本の着物ならではの楽しみを
一番堪能もして頂ける事と思います。
そんなお手伝いが出来れば幸いに存じます。
どうぞ何でもお気軽に、ご相談下さいませ。
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