雨の日のコート・・その二
'2008-04-27 00:30:11')
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お勧めのこんなお品・・
こんばんは、玉川屋呉服店の石井貴彦です。
昼間の良いお天気から、夕方にはうってかわって強い雨の後のシトシトお天気、
一昨日の雨コートのお話の続きを・・・
やっぱり雨コートがなきゃ駄目ね、と
急な雨に傘を差しながらおいで下さったお客様とお話をしながら
お選び頂いた雨コートをお仕立する時に、
裾までの丈の長いコートが良いか、二部式のコートがよいかとのご相談になりました。
それぞれの形について玉川屋からのお勧めをしてみると
二部式のコートのメリットは、
道行きコートと雨コートの二つのパターンでお使いが頂けると言うことです。
普段は道行きコートや道中着としてきていて
いざ雨が降ってきたら、裾をぱっと巻いて雨コートに・・
と、そんなイメージでしょうか。
でも実際にお召しになってみると、
着物の下着の、裾除けの様な形に作ってある下巻きの部分を
着物の裾が濡れない丁度よい位置に合わせてさっと巻くのって
結構大変だったりもします。
長すぎるとコートを引きずったり、短ければ下の着物が濡れたり、
といった事になりますので、丁度よい裾の位置で巻くことが大事なのですが
着物を着て、上から見ている状態ではなかなか裾の位置を確認するのが難しいのです。
大きな鏡、あるいはウインドウのガラスなどに映してみればよいのですが
なかなか、丁度よく見つからないものです。
そんな意味では、パッと羽織れば、丁度よい位置に裾が決まる
一部式の雨コートがお勧めではあります。
もうひとつ、実際に着ている着物の裾より、
雨コートの丈が短ければ着物の裾がでて雨に濡れてしまいますし、
逆に更に下まで雨コートの裾があるとかなり長めの丈となり、
足を引っかけたり、階段の上り下りには難があったりもします。
雨コートをお召しの時には、まず
着物の裾をまくり、着付け用のピンで留めたり、腰紐で巻いて止めたりしてやります。
そうすると、膝あたりから下は襦袢のままの状態になります。
襦袢の裾は、着物の裾より少し上目になりますので、
その状態で襦袢の裾が隠れるように雨コートの丈が決まれば
着物も襦袢も汚さずにすみます。
裾をまくってみる時には、
二部式のコートですと、どちらかお人の目から隠れてまくりませんとなりませんが
長い一部式の雨コートなら、まず着物の上から長いコートを羽織ってしまってから
壁の方を向いて裾をまくれば、場所を選ばずにかなりお召しになりやすくなります。
(裾をまくります時には、おとついのこのページにも書きました
雨コートを作った時に残布で作った袋にコートと一緒にクリップピンや腰紐を、
常に一緒にお入れになっておくと便利です。
ただ、二部式にお仕立すると、袋を作るほどの残布が出ません時も多いです。)
そういったことから、「どちらがお勧め?」と聞かれますと
一部式の裾までの丈の雨コートをお勧めすることが玉川屋では多いです。
これにも使えて、あれにも使えて・・という兼用出来るお品は
一見すると便利なようですが、意外といざとなると役に立てにくいことも多いものです。
色無地も、「祝儀・不祝儀の兼用で使えるお色目のお品」と思って染めてみると
不祝儀にはちょっと派手目で、慶事には渋め・・・と、中途半端だったりもします。
和服のアイテムは、一つのお品を永く大事に使えるものでもありますので
それぞれ、そのシチュエーションでご自分らしくしっかりと装えるものとして
一つ一つのお品をお揃えになられることも、
また心地よくお着物を楽しんで頂くことの出来る道かとも思います。
もちろん、皆さん色々なリクエストやご要望もお有りと思います、
是非、色々なご意見もお聞かせ下さいませ。
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