ご寸法
'2009-12-20 22:29:49')
こんばんは、玉川屋呉服店の石井貴彦です。
お洋服に比べると、女性のお着物の寸法は
お端折を取る事もあり、身丈も身幅も
着方によって融通がきくものでもあります。
初めてお着物をお作りする方の場合には、
ご身長や体型から私共で採寸をしてお仕立をさせて頂きますが、
実際にお着物がお仕立上がってお召しの機会が増えてくると
その方なりの、しっくりとくる着心地の良い腰紐の位置などが
徐々に決まってまいります。
同じご身長でも、
腰紐を締める高さが変わってくると
ちょうど良いお着物のの身丈も変わってまいります。
お召しになるうちに
ご自分で「もう少し、こういった寸法なら、着やすいかも」
といった事を感じる事が有れば、ご遠慮なく
どんどん私共にお伝えを頂ければと思います。
同じ体型の方でも、
織りの紬の張りのある地風のお着物を主にお召しの方と、
染めの着物の柔らかい地風を好んでお召しになる方、とでは
その地風の違いから、着やすい寸法が異なってくる事もありますし、
お茶の席などで、手を添えることなく
立ったりしゃがんだりした時にも裾が割れる事の無いようにと思うと
本来の体型からのご寸法より、前幅を大分お広めに仕立てする事もあります。
そういった意味では、呉服屋で最初に決めたご寸法が、
必ずしも最終の決まり寸法という事ではなく
お召しになりながら、当初の寸法から、徐々に調整を加えてゆく事で、
その方にしっくりとくるご寸法を、ご一緒に見つけてゆく・・
といった事が、呉服屋とお客様のお付き合いの中の大事な部分でもあります。
そうして、しっくりとくるご寸法が見つかると
後々のお着物のお仕立は安心してお承りをさせて頂けるようになります。
お店でもお客様によくお話しさせて頂く事でありますが
呉服屋の仕事は、単にお品をお売りするだけではなく
コーディネートや、上に書いたご寸法の事など、
それぞれのお客様のスタイリストのようなお役目でもあります。
どちらかの一方通行ではなく
お着物の事だけに限らず色々なお話しをさせていただくことでこそ
お客様が理想に思うイメージを、
ご一緒に共有させて頂ける事が出来ると思います。
どうぞお気軽においで下さって
お茶でも飲んでお遊びがてら、色々なお話しをお聞かせ下さいませ。
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