皆様いつも有り難うございます、
玉川屋呉服店の石井貴彦です。
雪も多かった2月から、ようやく春三月を迎えました。
春をイメージさせる
着物の古典柄の一つに貝合わせの柄があります。
蒔絵や金箔が施された蛤の貝殻。
本来の対になる組み合わせのみが、ピタリと重なる事から
トランプで言う神経衰弱のような、ペアを選ぶ遊具とももされましたが
夫婦和合の象徴としての吉祥の意味も持ち、
貝殻を納めるための貝桶と合わせて
公家や大名家の嫁入り道具ともされておりました。
貝殻に描かれた綺麗な装飾、外側も綺麗に作られた貝桶、
流れる飾り紐・・・着物の図案としても、
江戸褄・色留袖・訪問着・袋帯・・・など、
礼装のお着物の品格のある柄として、好まれる意匠の一つであります。
平成17年に紀宮さまが結婚式で貝桶の柄のお着物をお召しになった事も
当時のニュースで伝えられておりましたので、ご存じの方もあるかと思います。
貝合わせに使われる「蛤」は
なめらかな表面の色彩は変化に富み、
風味のある貝肉は食用としても古くより
美味として色々な食され方をしてまいりました。
女性にとっての吉祥の象徴である事と共に、春が旬である事もあり
ひな祭りの時は、お吸い物としていただくのも、広くされている事と思います。
稲荷神社の祭礼である「初午」の日に食すと邪気を払う・・
そんな言い伝えもあります。
蛤の貝殻は、非常に堅牢である事から
囲碁の碁石としても使われているそうで、
黒石は那智黒石から作られており
白石の方に蛤の貝殻を型抜きして磨いた物が使われております。
蛤の殻には薄い縞が現れており、
貝殻のどの部位から型を抜くかによって石の表情も変わってくるようで
現れる縞がきめ細かくきれいな白い石ほど、高級な物とされてまいります。
また、貝殻を細かく砕いて磨り潰し、粉状にしたものが
「胡粉(ごふん)」と呼ばれる、日本画や染色で白を表現する顔料の材料となりますが、
蛤の貝殻から作られた胡粉は特に白色度の高いものとされていた様です。
"貝桶"は雛人形の内裏雛の前飾りとして2対一組として飾られ
雛人形を飾る桃の節句には、菱餅や雛あられ、ちらし寿司などと一緒に
"蛤"のお吸い物が出てまいります。
のどかな「春」の始まりをを感じさせてくれる・・そんなイメージです。
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玉川屋も加盟致します
東京の老舗の呉服店30余軒の集まる組合「きもの呉盟会」の
今回で57年目を迎えます
「春のご奉仕市」が
この春も来週末に開催されます。
■きもの呉盟会 第57回「春のご奉仕市」■
3月14日(金)・15日(土)・16日(日)の3日間
港区・浜松町「東京都立産業貿易センター」にて
・・・詳しいご案内もこちらからご覧下さいませ
(ご来場には、ご案内状が必要となります。お気軽にお申し込み下さい。)
毎春恒例の「春のご奉仕市」、
これまでは4月に開催しておりましたが
4月1日より消費税が増税されますことを受け、
今年は、ひと月早い3月14日(金)よりの開催とさせて頂く事となりました。
◆ 紬や小紋、染帯や八寸帯、名古屋帯の・・お洒落着
◆ 訪問着や付下げ、留袖、袋帯など・・・・礼装の品
◆ 振袖や七五三の、お祝い着
◆ 凛とした男物
◆ コートや羽織、白生地、色無地、長襦袢・・・和装なら何でも
◆ 大島紬、結城紬、本塩沢、琉球 etc・・全国各地の伝統の染織品
◆ 帯締め、帯揚げ、草履・バッグ・・・・和装小物
◆ 季節本番に、一足早く「夏物」も大ご奉仕
30余軒の老舗より出品されるすべてのお品が
2割引より半額以下でのご奉仕となります。
各店が、厳選して仕入れをしたり染め出した品をご奉仕ですので
バーゲン品とはまったく違う、良品お値打ちの品揃えが
60年近く毎年ご好評を賜る訳と思います。
ご来場の方には、色々なお楽しみを・・・
◆ ご来場、お楽しみ抽選 「会場内で使える金券一万円」を50名様に
◆ お着物姿でご来場の方には、和装小物のプレゼント
◆ 毎日日替わりで、帯締・帯揚・草履の特別限定ご奉仕品をご用意
詳しいご案内もこちらからご覧下さいませ・・・・
お着物や帯は、生活必需品とは違い、
駈け込みでお求めになるものではありませんが
「振袖」や「七五三」などのお祝い着、
また、お召しのご予定が決まっていて、ご購入の予定のあるお品・・
などは、消費税の増税される前のこの時期でのお支度が
よろしい事と、お勧めいたします。
春の良い季節、皆様方のお出かけを是非ともお待ち申し上げております。
ご来場には、ご案内状が必要となります。
こちらより、どうぞお気軽にお申し込み下さいませ・・・・
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暑さ寒さも彼岸まで・・・
春本番前のいましばらくは、寒暖の差も大きな日が続くようですが
桜や菜の花、土筆など時期ものの柄を
季節に一足早く装うのも、また日本の着物ならではの楽しみです。
もうすぐ来る春を楽しみに、着物姿でのお出かけを
どうぞお気軽にお楽しみ下さいませ。
「春寒」「残寒」 春に入ってからの寒さの言葉もございます。
どうぞ十分にご自愛の上、お過ごし下さいませ。
「着物つれづれなるままに」・・いままでの目次には、こちらから
今の季節を楽しみたい・・玉川屋のホームページへは、こちらから