こんばんは、玉川屋呉服店の石井貴彦です。
昨年の12月よりiPhoneを使っています。
画面も綺麗で、ネットやバソコンとのデータの連係など便利でよいのですが、
携帯電話と言うよりはパソコンに近い構造のようで
使い始めの時にも、iTunesというAppleの同期ソフトのバージョンとの折り合いが悪かったようで
アクティベートという初期設定がうまくゆかず、
渋谷のアップルストアで3時間ほどかかってようやく使え始めるようになりました。
そういいながらも昨晩、パソコンとの同期をしようとしたら
iPhoneのシステムのバージョンアップのメッセージが出て
軽い気持ちでクリックしたところ、
それっきり同期もできずiPhone自体も立ち上がらず、
またアップルストアに通ってリカバリーするまで、今日は一日中、携帯が使えずにおりました。
新しいものは便利ながらも、
その分安定性に欠けたり、いままでにないトラブルに見舞われたり、
それもまた必然でもあります。
思い返すと昨年は、空気清浄機、エアコン、給湯器、キッチン・・
けっこう色々なものの修理をしました。
空気清浄機や加湿器の比較的小さな目な家電は
直すより、新しいものの方が費用的に安かったり、
給湯器の時は部品がもう保存されておらず
そこまで要らないかな、という余分な機能が多いものに替えざるをえなかったり、
エアコンにいたっては、確かにかなり年数がたっているのですが
修理の工事をするとかなり大がかりな見積もりで、省エネタイプの新しいものを勧められたり、
話を聞きながらも、頭の中では???と疑問符の浮かぶ時も少なくはありません。
エアコンに関しては、
古い分だけ逆に構造も大まかで効率は悪いけれど丈夫だそうで、
かえって省エネタイプの方が高機能ながらも制御が繊細で壊れやすかったり・・
そんなこともあるそうです。
単純に比べることは出来ないのでしょうが
呉服屋をしていると、
ついつい「永く、大事に」そんな風に思う事が多くなります。
色を変えたり、場合によっては色を抜いて染め変えたり、
お着物をコートや羽織に仕立て直したり、
男物の着物なのですと、弱ったひざ前を下前身頃と入れ替えて仕立て直したり
生地も薄くなってきた着物を襦袢にしてしまったり・・・
お着物はいかようにも、手をかけて行くことも出来ます。
今朝も、お承りした江戸小紋の色掛けが染め屋さんから上がってまいりました。
15年ほど前に、やわらかな珊瑚色の江戸小紋を染めさせて頂きましたが
これから先に向けて抑えた色目にということで、
淡いネズをかけて全体の雰囲気を落ち着かせることにしました。
残り布があったので、
引き染めで3色ほど試し染めをして上がりを見てから・・と思ったのですが
撥水加工を施してあったようでその染めが出来ず、
ワンチャンスの浸け染めの色掛けとなりました。
色々考えながら出した色目がちょうどぴったりで
染め上がりも良い雰囲気に上がってまいりましたが、
撥水や防水加工をはじめ、一つ一つの加工についても
あらためて考えさせられる機会ともなりました。
生地への加工も、年数がたってからの扱い方に難しさもあり、
最近では加工のご注文を頂いた品にのみするようにしておりますが
一時、させて頂く機会の多い時期もありました。
気が付けば十年以上があっという間にたってしまう着物の時間の流れでは
便利だったり、安心だったり、そんなメリットと
先々の色々なお手当てにとっての課題など
メリット、デメリット、しっかりと考えておいたり、お客様にお伝えすること、
それも大事なことであります。
先にも書きましたように、
それぞれの品物を単純に比べることは出来ませんが
かなり両極端でもあるかもしれない事象を、
今日は感じる日でもありました。
使われる方、お召しになる方にとって
いまも、そして先々になっても、安心して喜んでお使い頂ける道、
しっかりと考えてまいりたいと思います。
今の季節を楽しみたい・・
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