工房の見学の話のつづきを
'2009-07-29 23:43:19')
こんばんは、玉川屋呉服店の石井貴彦です。
先日の、染め工房へ伺った時の話の続きを・・
染めの工程や、技法的な話は
実質的な知識として、もちろんとても参考になりますが、
ちょっとそれた話などが、けっこう楽しみだったりも致します。
江戸小紋の型紙は、美濃和紙を3枚重ねると言います、
和紙には繊維の目があるので、
それを揃えて重ねてしまうと強度が落ちてくるので
縦、横、縦と、繊維の目を変える事で、一枚の型紙にした時に
永く使える強度が保てるそうです。
細い縞を彫る時には、更に一枚多く
4枚の美濃和紙を重ねた型紙を使うそうです。
型紙を見ても、同じ縞でもそれぞれに違う、縞の細かさが
お分かり頂ける事と思います。
![03.jpg](http://tamagawaya.weblike.jp/blog/images/20090729234536_m.jpg)
上の型紙は、人間国宝に指定された故・児玉博氏の型紙だそうです。
(写真のように、印の捺された型紙でなくとも、型紙を見て
ご自分の彫った型紙かどうかが、すぐにお分りになったそうです)
縞の型紙には型紙を補強するために、横にブリッジのように糸を渡す
糸入れという工程があります。
彫り上がった型紙の、重ね合わせた和紙をはがし
絹糸を縞に対し横に渡して、再度型紙がぴったり合うように貼り合わせ直します。
上の写真の型紙に、横向きに細い線が入っているのが見えますでしょうか。
![01.jpg](http://tamagawaya.weblike.jp/blog/images/20090729234428_m.jpg)
糸入れをしていない型紙は、上の写真のような状態です。
これを剥がして、再度貼り合わせる・・
説明を聞いていても、実際の型紙を見てみると、想像しがたい作業であります。
(この糸入れの技術においては、城ノ口みゑさんが昭和30年に人間国宝に認定されております)
![05.jpg](http://tamagawaya.weblike.jp/blog/images/20090729234636_m.jpg)
上の写真は、
左が錐彫りの、右が道具彫りのための、道具です。
左の錐彫りの錐は、尖った先端ではなく、半円形になっているのがお分かり頂けますか。
この錐を、数枚重ねた型紙に垂直に当てて回転させながら粒を抜いてゆきます。
錐彫りの、細かい型紙は、突っついて穴を変えているのではなく
一粒、一粒をくり抜いているのです。
道具彫りは、菱形や花弁の形などをかたどった小刀で
一つ一つの文様をかたどってまいります。
複数の刃型を合わせて、模様をかたどる事もあります。
染め、織り、一つのお品が出来るまでは、沢山の手を通って出来上がってまいります。
お品に直接携わる手業だけではなく、そのための道具一つ一つにも
伝統や精緻な仕事が受け継がれてもいるのです。
「着物つれづれなるままに」・・いままでの目次には、こちらから
今の季節を楽しみたい・・玉川屋のホームページへは、こちらから
先日の、染め工房へ伺った時の話の続きを・・
染めの工程や、技法的な話は
実質的な知識として、もちろんとても参考になりますが、
ちょっとそれた話などが、けっこう楽しみだったりも致します。
江戸小紋の型紙は、美濃和紙を3枚重ねると言います、
和紙には繊維の目があるので、
それを揃えて重ねてしまうと強度が落ちてくるので
縦、横、縦と、繊維の目を変える事で、一枚の型紙にした時に
永く使える強度が保てるそうです。
細い縞を彫る時には、更に一枚多く
4枚の美濃和紙を重ねた型紙を使うそうです。
型紙を見ても、同じ縞でもそれぞれに違う、縞の細かさが
お分かり頂ける事と思います。
![03.jpg](http://tamagawaya.weblike.jp/blog/images/20090729234536_m.jpg)
上の型紙は、人間国宝に指定された故・児玉博氏の型紙だそうです。
(写真のように、印の捺された型紙でなくとも、型紙を見て
ご自分の彫った型紙かどうかが、すぐにお分りになったそうです)
縞の型紙には型紙を補強するために、横にブリッジのように糸を渡す
糸入れという工程があります。
彫り上がった型紙の、重ね合わせた和紙をはがし
絹糸を縞に対し横に渡して、再度型紙がぴったり合うように貼り合わせ直します。
上の写真の型紙に、横向きに細い線が入っているのが見えますでしょうか。
![02.jpg](http://tamagawaya.weblike.jp/blog/images/20090729234508_m.jpg)
![01.jpg](http://tamagawaya.weblike.jp/blog/images/20090729234428_m.jpg)
糸入れをしていない型紙は、上の写真のような状態です。
これを剥がして、再度貼り合わせる・・
説明を聞いていても、実際の型紙を見てみると、想像しがたい作業であります。
(この糸入れの技術においては、城ノ口みゑさんが昭和30年に人間国宝に認定されております)
![04.jpg](http://tamagawaya.weblike.jp/blog/images/20090729234611_m.jpg)
![05.jpg](http://tamagawaya.weblike.jp/blog/images/20090729234636_m.jpg)
上の写真は、
左が錐彫りの、右が道具彫りのための、道具です。
左の錐彫りの錐は、尖った先端ではなく、半円形になっているのがお分かり頂けますか。
この錐を、数枚重ねた型紙に垂直に当てて回転させながら粒を抜いてゆきます。
錐彫りの、細かい型紙は、突っついて穴を変えているのではなく
一粒、一粒をくり抜いているのです。
道具彫りは、菱形や花弁の形などをかたどった小刀で
一つ一つの文様をかたどってまいります。
複数の刃型を合わせて、模様をかたどる事もあります。
染め、織り、一つのお品が出来るまでは、沢山の手を通って出来上がってまいります。
お品に直接携わる手業だけではなく、そのための道具一つ一つにも
伝統や精緻な仕事が受け継がれてもいるのです。
「着物つれづれなるままに」・・いままでの目次には、こちらから
今の季節を楽しみたい・・玉川屋のホームページへは、こちらから
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