残り布を帯に
'2009-04-27 23:43:20')
こんばんは、玉川屋呉服店の石井貴彦です。
小紋の着尺で羽織をお仕立てになると
元の反物の長さや、羽織の丈にもよりますが
たっぷりと布が残ることが多いです。
バッグや草履に加工をすることもありますが
柄行と残り布の長さによっては、
帯にお仕立てをお勧め致します。
たとえば江戸更紗の着尺、
細かい文様に多色の色遣いの染め上がりは
下にお召しのお着物を選ばずに、
洒落た雰囲気のある着物姿がお楽しみ頂けます。
江戸更紗は、きものを染める型紙を使って
帯を染めたりも、普段からしておりますので
残り布を使っての帯も、
新しい帯を一本お選びになったのと同じように
お洒落を楽しめるアイテムとなるはずです。
上の写真の着尺で、膝がたっぷり隠れるくらいの丈の
長めの羽織をお仕立てしても
7尺(2m80cm)ほどの丈の布が残りました。
そのままでは1本の帯にはなりませんので
お太鼓の裏や、前帯の下巻きの部分に使うため
着物の八掛用の生地を共色に染めて足し布にお使い致します。
実際にお召し下さると、
お太鼓、前帯、手先・・と外から見える部分には
江戸更紗の深みのある染め上がりが全部出てまいります。
羽織を一枚と帯を一本、
それぞれに、お使いになりやすい素敵なお品が仕立て上がると思うと
着尺1本をお求めになっても、きっとご満足頂けるはずです。
江戸更紗のように、全体に柄が埋まった図案ですと
そのまま帯に仕立てることができますが、
無地場のある小紋の柄の残り切れの場合は
お仕立てしたときにお太鼓や前柄などのポイントになるところの柄に
刺繍を入れてアクセントを付けてからお仕立てを致します。
これもまた、素敵な帯が仕立て上がります。
明日、帯の仕立て屋さんが取りに来てくれて、
連休が明けてからのお仕立て上がりとなります。
お仕立て上がりもまたお楽しみに。
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