こんばんは、玉川屋呉服店の石井貴彦です。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが
週末には10月を迎える今週に入りましてからは
秋らしさもようやく増してまいりました。
10月にはいりますと、
昔ながらの着物の暦ですと "袷" の時期となりますが
実際に感じる陽気は、まだまだ秋の入口・・・
文字の感じでイメージするならば
秋深まっての "寂" や "冷" や "寒" といった感じではなく
"涼" や "爽" といった語感が、まだぴったりの時期であります。
新涼、秋涼、秋爽や涼爽・・そんな、言葉がしっくりきます。
「秋爽(しゅうそう)」を、変換しようと思って、PCに打ち込むと
最初に変換されたのは、「秋霜」の文字でした。
同じ読み方の言葉でも、「秋爽」と「秋霜」では
秋の入口と、冬の直前となる秋の終わりの時期・・・
ずいぶんと違ってまいります。
風には涼やかさもますものの、
渋谷駅から玉川屋まで、マークシティのビルの中を通るのではなく
爽やかな空気に当たりながら・・・と、道玄坂の坂道を登ってくると
今日あたりは、まだ少し汗ばみます。
そんな中、
夕方になって、店の中から外を見た時に、
思っている以上に暗くなっているのに驚いて時計を見てみると
日毎にその時間が早くなっている・・・
季節が変わってきている事を、陽の落ちる早さで、一番実感いたします。
これから深まる秋を表す言葉・・・を、探しているうちに
秋の季語として「稲妻」の言葉を見つけました。
「稲妻」は、夕立や雷雨などから夏のイメージもありますが、
古来はその光によって天と地が繋がることにより
稲の穂が実り、豊作に繋がる・・ とされて、秋の季語とされた様です。
着物の生地の地紋に「紗綾形(さやがた)」という地紋があります。
梵字の「卍」を崩してつないだ連続模様であり「卍繋ぎ」ともいわれますが
その別名として、「雷紋繋ぎ」とも呼ばれます。
「稲妻」「雷」の吉祥の謂われから、祝儀・不祝儀を通じて、
礼装のお着物の生地には使われることの多い地模様となります。
お祝い事や喪服の下の長襦袢地や、振袖や訪問着の地紋をご覧になってみると
お家の箪笥の中にも、きっと見つけられることでしょう。
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秋深まるこの時期、
玉川屋では「着物を楽しむ、秋10月」と題しまして
色々なご提案、イベント、お品のご紹介・・・盛り沢山に、
皆様のお出かけをお待ち申し上げております。
■
10月 3日(月) より 8日(土)は 「すくい織り・櫛織りの帯」展
at 渋谷・玉川屋呉服店
11日(火) より 15日(土)は 千葉よしの・まつ江「正藍冷染」
at 渋谷・玉川屋呉服店
22日(土) ・ 23日(日)は 新宿・落合「工房見学&スタンプラリー」
at 新宿・落合の染め工房にて
■「すくい織り・櫛織りの帯」展
単衣から袷にかけてのこれからの時期、
すっきりと軽快に、 でも、しっかりとした重みを持って・・・
そんな想いでお出かけしたい時に、お勧めのお品です。
「織りの着物から、セミフォーマルまで、お使いになりやすい帯」
「単衣にも、袷にも、コーディネートしやすい、季節も幅広くお役に立つ帯」
そんなご注文を頂戴した時に、玉川屋でお勧めするのが、この帯たちです。
▲詳しいご案内は、こちらより
■「千葉よしの・まつ江 正藍冷染」展
古来より続く、熱を加えずに藍を発酵させる「正藍冷染」
現在では、宮城県栗駒山の千葉家ただ一軒にのみ受け継がれております。
何とも言えない、爽やかな、綺麗な「藍」の色。
一年に、二十点余りしか染めることの出来ない稀少なお品・・・
数年かけてお揃えしてまいりました、着物や帯を
今回お目にかけさせて頂きます。
▲詳しいご案内、正藍冷染の説明、お品のギャラリーは、こちらより
■おかげさまで10周年「新宿・落合 工房見学&スタンプラリー」
東京にも、伝統の技術を受け継ぐ、こだわりある品作りの工房があることを
沢山の方に知って頂きたい・・・・
そんな想いから始まりましたこの「工房見学&スタンプラリー」も、
毎年1000名以上のご来場を賜り、今年で10周年を迎えます。
10年目の記念イベントとして、
スタイリストとして活躍される大久保信子さんや
着物伝承家の早坂伊織さんのトークショー、
各工房の選りすぐりのお品での作品展・・・も
落合の地域センターを会場に開かせて頂きます。
▲詳しいご案内は、こちらより
■10月中のお買い物には、玉川屋からも色々なサービスをご用意しております。
心地よい秋の訪れと共に、どうぞお着物でのお出かけをお楽しみ下さいませ。
玉川屋の店では、タイトルのお品だけではなく、
お洒落着からフォーマルのお品・男物・小物まで
季節折々のお品を、何でもお揃えして、お待ち申し上げております。
「着物つれづれなるままに」・・いままでの目次には、こちらから
今の季節を楽しみたい・・玉川屋のホームページへは、こちらから