トピックス、着物つれづれなるままに


お着物や和のものについてのトピックスや、思いつくままに色々書いています。
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平成15年の5〜8月の分です。


7月15日
 「お身内の着物の活かし方


梅雨空の合間にも夏の強い日射しが覗きはじめ

襦袢の映りも涼やかな夏の薄物が楽しい季節となってまいりました。



季節の変わり目には、箪笥の中の着物を見直して

お手入れをされる方も多いことと思います。



着物は仕立てを解いて端縫いをすると、また元の一反の反物に必ず戻ります。

ですので、ご寸法を直して仕立てたり、八掛の色を変えたり、

着物をコートやお羽織にお直し、といったことも出来るのです。



皆さんがお手入れをされる時期には、

お母様やお婆さまの古い着物や、頂き物のお品など

「この着物を何とか活かせないかな?」というご相談をよく受けます



そのまま着物としてお召しの場合は、

裄を直すだけで大丈夫なお品もありますし

(裄の縫い込みや、筋の月具合、縫い込みの内と外での色違い、等の様子を見ながらとなりますが)

全部を解いて、一からお直しする時もあります。



八掛の色目を変えて着物の雰囲気を変えたり、

胴に内揚げが十分あればそれを出して身丈を伸ばしたりも出来ます。

お品によっては、上から色をかけたり、柄を染め変えたりして全然違うお品に、

なんてことをすることもあります。



お身内の思いのあるお品ならば、せっかくですので色々な形で活かしてゆくのも

また、お着物ならではの楽しみです。



玉川屋のホームページでは、そんな着物の色々な活かし方も ご紹介をしておりますのでご覧になってみて下さい。

         「着物よ永遠(とわ)に」のページはこちらを<クリック>して下さい。



お直しをお承りするときに、紬や小紋は比較的お直しがしやすいお品ですが

付下げや訪問着といった絵羽模様のお品のお直しが、やっかいだったり致します。



着物によごれがある場合でも、

紬は比較的よごれが目立ちにくい物ですし、小紋なども全体に通しの柄行ですので、

よごれが目立つ場合には身頃に鋏を入れて上前とした前を入れ替えたり

コートや羽織にお仕立て直したりと、部分を入れ替えながら仕立て直すことも可能です。



絵羽模様のお着物は、場所によって柄が全部決まっていますので

動かしたり、仕立て方を変えたりすることが出来ず

柄の部分を伏せておいて、無地場に色をかけたりといった方法になりますが

上からかけるには色も同系色の濃い目がいちばん綺麗に染まりやすく、違う色調には染めにくいですし、

染め変えた地色と、本来の模様の挿し色とのバランスなど

良いお着物に染め変えるには色々と神経を使うところも増えてきます。



また、礼装のお品は普段着や洒落着に比べ、

ご自分なりのお好みの雰囲気がはっきりしていたり

帯や小物での取り合わせの幅も決まっていたりと、

汚れのないお品であっても、お召しにならずにしまってあったりするお品もあるようです。



すぐには活用されなくとも、いつかお役に立つのがお着物であります。

私は呉服屋の子ながら男兄弟2人でしたもので、母は自分の若い頃の着物や帯を

従姉妹や親戚の女の子に随分とあげてしまったと話しておりました。

私や弟が結婚してみるとそれぞれの家内も着物が好きなので

今になって「あの着物が有れば丁度似合うのに・・・」なんてよく言っています。



今すぐには思いつかなくとも、気が付くと年月がたって

身近な方に着物が生かされてくる・・・   そんな事がきっとあるはずです。

30年近くたって、受け継いできたお着物の話を以前に書いたことがありましたのでご覧になって下さい。

<こちらをクリック>




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そんな様に、手を加えてお直しをしたり、次に受け継いで下さる方まで大事にしたりと

本来ならどなたかお身内がお召し下されば一番良いのですが、

それもかなわぬ場合には、せっかくの大事なお着物ですので何かお役に立つ道は・・・  と、おもっていると

古いお着物をバッグやお人形などの小物にかえて、

それを難民支援や地雷除去の活動に役立てようという活動をしているNPO法人がありました。



アフガニスタンやカンボジア、ザンビアなどアジア・アフリカ・旧ユーゴなど

9カ国で支援活動をしている、NPO法人の「難民を助ける会」です。



・・・NPO法人「難民を助ける会」のホームページは、<こちらをクリック>



衣料支援や物資支援 、地雷除去、教育支援といった活動をしているNPO法人なのですが

着物や帯の生地を利用してボランティアの方の手で和風小物や洋服に再生加工し、領布することによって、

難民を助ける会の活動資金に活かしてゆこうということで、これらを販売するお店も準備中とのことです。



募集しているのは、正絹や麻の、

仕立て上がりの着物や帯、反物、羽織、和装小物、風呂敷などで

そのほかにも、和・洋裁、手芸のお好きな方、お店の企画・販売に知恵やお時間を提供してくださる方、

といったボランティアの方も募集中だそうです。



・・・送り先やお問い合わせなど詳細はこちらでご覧になって下さい。<クリック>



できることなら、想いのあるお着物や帯はお身内の方にお召しいただいて・・・

それがかなわぬなら、何かお人のお役に立てば・・・  

大事なお着物、色々な形で活かして頂ければと思います。

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6月10日 「きものサロン」のプレゼント

季節も初夏へと向かう清々しい時期となってまいりました。

単衣の着物の軽い着心地もたのしく、より涼しげな薄物への気持ちも盛り上がってきます。

この春は、お食事会に桜の集い、工房見学&スタンプラリーや展示会・・・と

小人数でしております玉川屋にしては盛り沢山のイベントを企画して

自分のキャパをオーバーしてしまってホームページの更新やメールのお返事など

なかなか進まず申し訳ありませんでした。



おかげさまで、各イベントとも沢山のお出かけを頂きまして

着物を楽しみたい!というお声と、着物を作る工程や作り手さん達に対する関心の大きさを

感じることが出来ました。



今発売中の「きものサロン」夏号の、愛読者プレゼント企画「夏を楽しむ贈り物」のコーナーに

玉川屋から朝顔の絽小紋と紗の名古屋帯がプレゼントとして提供してあります。





すっきりとした品の良いお品で小紋・帯、ともに取り合わせも広く楽しめるお品です。

あつい夏を涼しげに楽しめるお品を、ぜひご応募になって下さい!




今月の20日(金)、21日(土)は銀座にて、東京の老舗の跡継ぎ仲間の八軒で

「得とく なつもの展」を開きます。

いずれも、こだわりある品創りに努める各店ですので

日本の夏らしい趣を楽しみお出かけ下さいませ。



 詳しいご案内も近日中に致します・・・



季節感のある単衣の装いを楽しみながら

春までお召しになった袷のお着物のお手入れもお忘れ無く!

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