トピックス、着物つれづれなるままに


お着物や和のものについてのトピックスや、思いつくままに色々書いています。
ご感想やご意見なもぜひお寄せください。
なるべく頻繁に更新するように頑張ります。
おいでになったら再読み込みして下さい。

平成18年の5〜8月の分です。




8月1日

つれづれ日記 「季節の装いを思いつくままに  単衣、自然布・・」


いつまでたっても雨ばっかりで・・・

そんな挨拶ばかりの七月でしたが、ようやく梅雨も明けて夏本場となりました。



「梅雨」と呼んだのは、近世に入ってからだそうで

古くは「五月雨(さみだれ)」と呼んでいたそうです。

五月と書いても陰暦の"五月"、今で言う六月の雨になります。



「五月(さつき) の水垂(みずたれ) 」が、サ・ミダレとして、

また、「五月雨くだる」などが、語源となってまいりましたようです。



五月と書く時候の言葉には、「五月晴れ」という言葉もあります。

連休頃の爽やかなお天気を見ると、そんな言葉を思い浮かべ

実際にその時期のと言葉として使われるようになっておりますが

これも、本来は

梅雨時の雨のさなかに数時間のぞく晴れ上がった空を呼ぶ言葉だったようです。



梅雨の雨は、夏至(6月22日頃)を挟んで約一ヶ月といわれ

その梅雨が明ける日のここ数年間の平均は7月20頃となっています。

 (実際は、この5年間だけでも最も早いのは2001年の7月1日、

  もっとも遅いのが2003年の8月2日と、ずいぶんと差もありますが・・)



先日、読んだ新聞には、

地球温暖化が原因で100年後には梅雨明けは8月にずれ込む・・

といった記事が載っていました。



今年が、その先駆けというわけではないようですが

時代が変わると、季節や時候の様子も変わってくることは必然のようです。




季節や暦と、お召しものの取り合わせを合わせる・・

洋装ではかなりアバウトにはなりましたが、

和服では、それこそがお洒落のポイントとして受け継がれております。



それでも、暦に対しての実際の気候が変わってくると

昔ながらの着方とは自然と変わってもまいります。



顕著に感じるのは、最近では単衣をお召しになる期間が

大分長くなってまいりました。

自分たちでも普段の着物でしたら、5月の連休頃から10月いっぱいまでは

単衣でもOK・・そんな感覚でおります。



夏の前後の6月と9月、着る期間も短いし・・と、間の時期の着物といった感じから

5,6月、9,10月の4ヶ月間、一年の1/3は単衣で大丈夫と思うと

ずいぶんと着やすい着物と感じられるようになります。




同じ単衣の着物でも、帯や、小物で、

薄物を合わせたり、夏用ではなくともすっきりした調子のお品を合わせたり・・

また、お色目を淡い色から、こっくりとした深い色目に変えてやることで

春から秋まで着物姿のイメージを変えてやることが出来ます。



逆に考えると、ご自分の思いや、日毎に変わる陽気に合わせて

ちょっとしたコーディネートで趣の変わる単衣は

とてもお洒落の楽しみが深いお着物かもしれません。




同じように、時期広くお勧めをさせて頂くお品に

自然布の帯があります。



シナ布や楮(こうぞ)布、藤布・・・といった、

自然の植物繊維から織り出した帯です。



                      写真をクリックすると、大きくご覧頂けます

 無地のシナ布の帯です     型絵染めのシナ布の帯です

      楮(こうぞ)布の帯です     藤布の帯です

夏の頃にお目にかけることが多くはなるのですが、

実際はそれほど透け感の強くないお品も多いので

時期もかなり広くお召し頂けるお品が多いです。



お店でお目にかけると

「いつから、いつまで締められるの?」と、よく聞かれますが

礼装用ではなく、織りの着物などに合わせてお召し頂く帯ですので

「着物にのせてみて、その日のお天気や陽気と合えば、

   ご自分の感覚でよろしいと思います」

とお返事させて頂いております。




自然の繊維をそのままに織り上げたお品ですので

糸の風合いや色合いがそのまま景色となって映ってまいります。

素朴な感じのお品が多いのですが、不思議と存在感もあったり致しますので

お着物に載せて頂いてこそ、楽しみのある帯でもあります。



帯締めのひと色もよいですし、よくお勧め致しますのが、

トンボ玉やシルバー、陶器といった

帯の生地と全く質感の違う帯留めです。



                      写真をクリックすると、大きくご覧頂けます

 陶器の金魚の帯留めです

      トンボ玉の帯留めです

       左の透明感のあるトンボ玉なら夏らしく涼しげに、右のこっくりとした色合いのマーブルなら秋口まで、
       春先には真ん中の柔らかい雰囲気のトンボ玉を・・

       ちょっとした取り合わせでも、帯の表情がずいぶんと変わってまいります。



あまりに質感が違うから、そのミスマッチが変えてお洒落・・

そんな楽しみが自然布の帯にはあります。




薄物がかかる玉川屋のお店の中にも、

段々に秋からのシーズンのお品も揃ってまいりました。

涼しげな薄物や浴衣あり、七五三やお振袖のお祝い着あり、

秋からのお洒落着や礼装着あり・・・ と、色々なお品が楽しめるのが

これからの時期の呉服屋でもあります。



どうぞお遊びにおいで下さいませ。

冷たいお茶をご用意してお待ち致しております。

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7月18日

お祝い着ご家族の思いを込めて・・


皆様いつも有り難うございます、

玉川屋呉服店の石井貴彦です。



5月頃から湿った天気が多かった今年ですが、

シトシト雨に夏の暑さがが日毎に混じる、

梅雨明けを目前のお天気がこの数日も続いております。



夏本番にむけて涼しげな薄物や浴衣がお店の中を飾っておりますが

今週は、お店で「七五三のお祝い着」展も開いております。



< 玉川屋の展示会のご案内 >は、こちらにて




時期はまだまだまだ早いのですが、ちょうどお子さん方も夏休みに入る時期で

思いでに残る日のためにご家族皆様でおいで頂くにも良い頃合いで

この時期にお目にかけることが多いのです。



お子さんは夏休みの前後で身長がずいぶん伸びてしまうこともあります、

7歳のお祝い着は大人と同じようにお端折をすることが多いので大丈夫なのですが、

3歳や5歳のお祝い着はお召しになった時にちょうど良い丈に腰揚げをしてお仕立てします。



そのため、お品をお選び頂くのは夏前でも、夏が過ぎての9月末や10月の初めに

採寸をして実際のお仕立てを致します。



以前は11月15日に七五三のお祝いをする事が多かったのですが

今は、お子さんやご両親、お身内の方々のご都合に合わせて

10月、11月をとおして良い日を選んでされることが多くなりました。




また、お祝いは数え年でする事が本来のようですが、

満の年齢でされることも多くなってまいりました。

早生まれのお子さんの数えの3歳だとまだまだ体もしっかりしていないので、

満年齢でする事も多いようです。



私のところも、2月生まれで数えの3歳で致しましたので(実際は2歳と9ヶ月)

まだまだ体が華奢でしたので、次の年にももう一度、

家族みんなで写真を撮ってまいりました。

 (うちの七五三の様子も、< こちらのページ > でご紹介してみました)

それぞれの年に撮った2枚の写真を比べるとずいぶんと娘の雰囲気も変わり

子どもの成長も感じられて良い記念にもなりました。




お祝い着も七五三だけではなく、

何かのお祝い事やお誕生日、お正月、お節句など

色々な機会に着せて差し上げてみて下さい。



小さなお子さんは数ヶ月で見違えるほど、

幼い可愛さからお姉ちゃま、お兄ちゃま風にとすぐに変わってまいります。

折々の機会にスナップでもお写真を残されておくと

その成長の様子もよく分かります。



洋服と違い流行もありませんので、それぞれの思い出と共に

常に一緒にあるのがお着物の良さでもあります。




3歳、5歳、7歳、それぞれのお祝いによって

お着物の形やお仕立てなどずいぶん変わってまいります。



3歳のお祝いは、"髪置きの祝い"と呼ばれ、

それまで剃っていた髪の毛を伸ばしはじめたことから、

子供の成長を祝い社会へ認めてもらう意味があったようです。



3歳のお祝い着は、着物s?に被布という袖のない外衣を羽織ります。

仕立ては一つ身という、背縫いのない生地幅で一幅をとる形のお仕立てになります。



小紋の反物一反を使って、被布とお着物を揃えてお作りになったり、

お着物、被布から小物まで全部一式揃ったセットの品などもありますし、

また、お宮参りの産着の袖を直すと三歳のお着物になりますので

被布だけを別にお揃えになる方法もあります。




五歳のお祝いは、"袴着の儀"と呼ばれ、

男児の大人への仲間入りをお祝いする由来があったそうです。

もとは男子も三歳のお祝いがあったようですが、

今では五歳の祝いだけが残っています。



着物、羽織、袴といった大人と同じお召し物に、懐剣や末広などの小物を添えます。

大人の紋服のように色無地の紋付きもあれば、

産着のように羽織の背中に雄々しい柄を染めた品もあります。

無地は白生地からお好きなお色目でお染めをすることも出来ますし、

履物や羽織紐まで一式揃ったセットのお品もあります。



お宮参りの産着を着物に直して、羽織を新しくご用意して

お使いになることもあります。

ただ、5歳までくるとお子さんによっては体格がとても良くなる子もありますので

産着のお直しでは幅が足りなくなってしまうこともあります。




7歳のお祝いは、着物の付紐を落とし帯を結んで大人の仲間入りを祝う

"帯結いの祝い"になります。



着物、襦袢、帯に、帯揚げや帯締め、しごきといった小物を帯に合わせます。

腰揚げに付けひもではなく、大人と同じようにお端折をして帯を締めます。



大人の訪問着と同じように絵羽模様のお着物もありますが

可愛らしい小紋の着尺一反を使って着物をお仕立てすることもあります。



絵羽模様のお品は、訪問着や振袖のような華やかさと品格がありますし、

小紋の着尺からのお仕立ては、後に大人用のお着物として

お仕立て直すことができます。




新しくお品をお揃えするのも、お身内の皆さんの喜びの気持ちの表れでもありますし

その一方で、

お母さんやお父さんがお召しになったお品を大切に受け継いでお召しになるのも

ご家族のつながりを感じることが出来てまた嬉しいものでもあります。



(お客様から、お父様のお祝い着をお直しにお預かりした時のお話を、< こちらのページ > でご紹介させていただきました)




お祝い着のご用は、お召しになった後にお手入れなどで

また、お着物をお預かり致します。

その時には、ご家族で集まった事や、当日の思い出話、お子さんの様子など

皆さんのお喜びのお話を色々とお伺いする事が出来ます。



単にお品をご用意するだけではなく、そんな気持ちや思い出のお手伝いを出来る事が、

お祝い着のご用が呉服屋にとってなにより嬉しいお仕事でもあります。




「お祝い着」展の期間中だけではなく、

お手入れやお直しから、新しいお品のお誂えまで、どうぞお気軽に何でもご相談下さいませ。




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   来週の24日(s?月)から、8月の9日(水)までは

   暑さに負けず、「夏の市」をお店で開いております。



    秋からのシーズンにむけて、お盆休み前の在庫一掃と

    夏物・冬物2割引にてご奉仕させて頂きます。

    良いお品をご覧になって、玉川屋で暑気払いをどうぞ!




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暑さもこれからが本番です、

はっきりしない陽気がいましばらくは続くようですが

夏本番の暑さの中でお召しになる薄物や浴衣を楽しみに

お体にも十分お気を付けてお過ごし下さい。




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6月18日

宮城県栗駒山 千葉よしのさんの「正藍冷染」を拝見してまいりました


全国的に梅雨入りをして、はっきりしないお天気が続きますが

皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。




今月の初めに、お店を一日お休みして

宮城県と岩手県の境、栗駒山にある「千葉よしの」さんの正藍冷染を

拝見しに伺ってまいりました。



 <写真はクリックすると大きくご覧頂けます>


正藍冷染は、木灰以外の媒体を使わず、通常の藍染めのように加温することなく、

自然のままの気温により藍を発酵させて染液を作ります。



その素朴なままの染織の技法は、平安時代からそのままに受け継がれており

鎌倉時代の頃には日本全国で盛んに行われていたようですが化学染料の普及や、藍染の技法の進歩などにより、

古くからのそのままの技法を受け継ぐのは日本でただ一軒、千葉家のみとなっております。

    (先代の、「千葉あやの」さんは昭和30年に人間国宝に指定されており、

       現在も宮城県の無形文化財に指定されております)




前の年の4月に自分の畑にまいて育てた藍の葉を、

年が明けると藁と共に土間に敷き詰め発酵させる「床伏せ」から冷染の工程がはじまります。

この工程で藍葉は「すくも」と言われる粘土質の状態になります。



春になり4月の初めに藍葉を床から出し、うすに入れてついて小さく丸めてから

天日乾燥させ、藍建ての日まで保存します。

藍玉は5月の大安の日を選び、”こが”と呼ばれる木桶に入れ、上からナラの木灰をかけ、

桶に半分ほどぬるま湯を注ぎ、発酵を進める「藍建て」の工程に入ります。



それから一週間ほどかけて、お湯を桶いっぱいになるまで足してやり、

8日目からは朝晩よくかき混ぜてやります。

発酵が進むと、染液の中から泡が浮いてくるのですs?が、この泡を「藍の華」と呼ぶそうです。

山のようにこんもりと盛り上がる藍の華、そんな状態が染めるのに一番適した藍の染液の具合だそうです。



 <写真はクリックすると大きくご覧頂けます>


毎日、染液の状態を確かめながら、そろそろ頃合いと思うと、生地の試験染めをして染めの工程に入るそうです。

私共が拝見したのは、状態よく藍が立ってからの染めの工程だったのですが、

隣にある資料館で見た記録映像で拝見する藍建て中の藍を見守る千葉よしのさんは、

子どもを大事に見守るようにも見える姿でした。




普段、染めや織りの現場に伺う時には、「○月○日に・・」とお約束するのですが、

正藍冷染の場合は藍の発酵の具合によって「そろそろ来週の初めくらいが良いかな」

といった感じで染めを始める日が決まります。



自然のままに発酵を進めますので、その年その年の藍の具合、気温、湿度・・

そういった諸条件によって藍の具合も替わりますので、染めを始める日も直前になって決まってくるのです。



ですので、今までも何度も拝見に伺いたいと思いながら、

「そろそろだよ」というご連絡を頂くと、ちょうどお店は夏の薄物が忙しい時期で、毎年残念な思いをしておりましたが、

今年は皆さんにご迷惑をかけることとは思いながらも、急に一日お店をお休みさせて頂いて、思い切って宮城まで伺ってまいりました。




正藍冷染も本来は、自分の畑に藍と麻を育て、麻を績んで生地にして、それを自分の家で藍建てした藍で染めて、と

日常に使うような野良着を作る自給自足の為の仕事であったようです。



千葉さんのお家の隣の資料館にある昔の麻の生地は、とても今の着物に使うような

薄手の生地ではなく、地厚なざっくりとした、まさに野良着といった風合いのお品でありました。



 <写真はクリックすると大きくご覧頂けます>



綿や麻を染めていた正藍冷染も、

いまは正絹の生地に染めてもらうお品が中心となります。

真綿紬や老母玉紬、白山紬、といった生地に、無地、絞り、型染めといった着物や帯を染めます。



木桶の中の藍の染液に浸けた生地は、

浸けながら空気に触れるたびに色が変わってまいります。

最初は、薄茶、だんだんに緑、そして深みのある藍へと移ってゆきます。

藍は空気(酸素)に触れることではっきりとした藍色へと変わってまいります。



 →   <写真はクリックすると大きくご覧頂けます>


染液に浸けて出して、そうこうしている内に

空気に良く触れた部分、あまり触れなかった部分で自然と色の濃淡が出てまいります。

濃淡、ムラ、見方によっては色々な表現が出来るのですが、実際のお品を手にとってご覧下さると、

何とも言えない景色や味の雰囲気となって映ってまいります。



お求め頂いた方からは、正藍冷染はお仕立て上がってからも色が変わってゆく、とも伺います。

しまっておいた着物を、明日着ようと思ってかけておくと、落ち着いたように見えていた藍が、またきれいに映えてくる。

熱を加えない分、染め上がってからも藍が生き続け、お召しの年数を重ねるほどに深い色味が増してまいります。



沢山撮ってまいりました写真なども、これからご紹介をしてまいりたいと思います。

お店の仕事の合間に一人でしておりますもので、HPの更新もなかなか進まないのですが

どうぞ楽しみにしていて下さいませ。




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6月5日

「今年の浴衣・・  自分らしく、着こなしを楽しむためには・・」


皆様いつも有り難うございます、

玉川屋呉服店の石井貴彦です。



6月には入りようやく爽やかな陽気の日が増えてまいりました、

暑すぎず、涼しすぎず、お着物でのお出かけには

ちょうど良い頃合いの日が続いておりますが、

数日すると梅雨入りのニュースもあり束の間の心地良いお天気を楽しんでおります。




玉川屋のお店には、5月からの薄物に加えて

呉服屋ならではの浴衣も揃ってまいりました。



木綿地、綿絽、紅梅、綿麻、綿紬、しぼり、

  生地を吟味して、古典の柄を染めて・・・・



昔ながらの浴衣でありますが、そういったお品だからこそ

 半幅帯で浴衣本来のすっきりした着こなしも

  襦袢を下に着て、夏帯をお太鼓に結び着物風な着こなしも、

ご自分なりの、着こなしをお楽しみ頂くことが出来るはずです。





雑誌やテレビなどでもこれから浴衣の話題が紹介されることが増えてまいりますが、

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今の主流は仕立て上がりの浴衣のようで、渋谷もデパートをまわってみると、

呉服屋の私共から見てもびっくりするほど沢山に浴衣が掛けてあります。



そういった浴衣から始められた方も

毎年の夏のたびに浴衣をお召しになる内に、

最初は流行の雰囲気も面白かったけれど、段々に

「昔ながらの夏衣らしい雰囲気で着てみたい・・」その様に思われて、

いくつもお店をまわられてから玉川屋へおいで下さる方も多いです。




   左から、「奥州小紋」「木綿浴衣」「絹紅梅(絽風に絹と綿を織り込んだ生地です)」



      左から、「江戸小紋調 浴衣」「古典柄 浴衣」「両面染め 浴衣」

 



すっきりと涼しげな夏衣らしい趣き・・

もちろん色や柄のこともありますが、多く売られている浴衣と大きく違うのは

浴衣であってもご自分にあった寸法でお召しになるのが

きれいな着姿の大きなポイント、 ということです。




お着物の着付けは洋服に比べれば寸法的にはかなり融通が利きますが

今、多くの方は、お体の割に手が長く、着物で云えば裄寸法が長く必要となります。

仕立て上がりの浴衣ですと、裄の長いサイズの仕立てですと

その分、身幅や身丈など全体に大きくなってしまいますので

お召しになるとお端折が長かったり、身幅が広かったといったことにもなります。



もちろん、裄を長くお仕立てする場合には、反物からお仕立てする時でも、

立体裁断ではないので自然と肩幅も広がり胸元の抱き幅も広くなってまいりますが

胴から肩にかけての広がり方のラインをその方に合わせて調節したり

肩幅は広げても身幅は細めにと、いったように

お召しになる方に合わせてお仕立てしてまいります。




   「絞りの浴衣」



      「絹紅梅」




お仕立て上がりの浴衣は、ユニクロさんで販売されているお品もございますし

お手軽なお品が沢山あることと思います。

一方で、呉服屋さんで反物を誂えるととても高い、と思われる方も多いことと思います。



呉服店で扱う浴衣は、昔ながらの色や柄、で

 (私共でも気に入った柄は毎年染めをお願いすることもあります)

生地や染め上がりなど実際にご覧下さると、

お仕立て上がっても思っているほどお高いお品にはならないはずです。




もちろん、絹紅梅などお品によっては浴衣としては高価な反物もございます。

そういったお品は、麻の長襦袢や染帯などを合わせて

浴衣ではなく夏のお着物としてもお召し頂くことが出来ます。



 綿絽(左)、絹紅梅(右) と 紗 博多帯(左)、麻の八寸帯(右)

 



そうしてお召しになるうちに、今度はその襦袢と帯を生かして

夏の粋紗や麻の縮みなど、お着物をお召し頂けるようになります。




さきざきどのように着物をお召しになりたいか

色々考えながら浴衣もお揃えになると、きっと永く大事にお役に立つはずです。



ぜひ、薄物と合わせて「玉川屋の浴衣」、ご覧に成りにお遊びにおいで下さいませ

お待ちいたしております。




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季節の移り変わる時期は、

その日ごとに取り合わせたコーディネートを考えるのもお着物ならではの楽しみ方です。

ぜひお気軽に、お召し下さいませ。




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