トピックス、着物つれづれなるままに


お着物や和のものについてのトピックスや、思いつくままに色々書いています。
ご感想やご意見なもぜひお寄せください。
なるべく頻繁に更新するように頑張ります。
おいでになったら再読み込みして下さい。

平成17年の5〜8月の分です。

8月31日

つれづれ日記 「浴衣でJリーグ & 麻布十番祭り」


残暑厳しき折ですが、お変わりなくお過ごしでしょうか。

皆様いつも有り難うございます

玉川屋呉服店の石井貴彦です。



そとの陽気はまだまだ夏の名残ではありますが

季節本番に一足早く、お店の中はすっかりと秋の趣となってまいりました。



今年の夏も家族で揃って浴衣で出かける機会が何度かありました。

7月にはJリーグのFC東京の調布にある味の素スタジアムに

浴衣でサッカー観戦に出かけました。





当日は「ゆかたday」&「ファイヤーワークスナイト」とタイトルの付いたイベント日で

スタジアムには浴衣や甚平、夏の着物姿で応援する方がいっぱいで

玉川屋のお客様や、仲間内の呉服屋のお客様方とご一緒に浴衣で応援してまいりました。



 お母様は越後上布、お嬢さんはお母様が頂いた小千谷縮みをお召しです。



ハーフタイムには300発の花火が上がり、間近なところから上がる花火にみんな大盛り上がりでした。





サッカーの試合は野球の様に攻守の交代もないのでハーフタイム以外プレイが中断することがなく

スタジアムでの観戦は試合の全体の流れがよく見えて、ボールを持つ選手を追うだけのテレビ中継とは

全く違うスポーツに感じられます。



暑い夜に冷たいビールを飲みながら観戦しているだけでも楽しいのですが

その日は、勝ち点のランキングでは13位と3位と、だいぶ上位にいる横浜Fマリノスを相手に4対0の快勝で、

特別にFC東京の熱烈なファンというわけではないのですがサポーター席の盛り上がりを見ていると

今度はあっちの席で応援してみたいな、などとも思っていました。



この日は、私は能登上布の麻の着物、家内は絹紅梅に紗の博多帯とトンボ玉の帯留め、

子供二人は、上の娘にはいままで兵児帯をしていたのですが単衣の浴衣帯を文庫に結び

下の娘にはお姉ちゃんの使っていた兵児帯を締めさせてました。





初めて浴衣にちゃんと帯を結んだ上の娘は最初は苦しそうでしたが

着心地を聞きながら何度か締め直してあげると

駅までの往き帰りや電車の時間を入れるとかなり長い時間浴衣を着ていたのですが

妹よりちょっとお姉さん風な浴衣姿に結構満足そうな様子でした。




娘の浴衣は、身長が伸びてくるにつれて揚げを下ろしながら着ていたのですが

5月の末にお店に浴衣を並べ始めた頃から「私はこれが着たい」なんて

二人からリクエストをもらっていました。



七五三のお祝いの時もそうだったのですが

いざシーズンに入ってみると、ついついお客様のお仕立てもので忙しくなってきて

結局自分たちのものはいつもぎりぎりの仕立て上がりとなってしまうのですが

(昨年の娘の祝着はお参りの前日の仕立て上がりでした・・)

今回もサッカー観戦には新しい浴衣出と思いながら、結局は間に合わずに

娘二人に怒られながら着付けをしてあげておりました。



それでも、いつもと違う帯を結んだり新しい袋を持たせたりしてあげているうちに

すっかり機嫌も直ってきたようでした。



8月のお盆明けには、いつも麻布十番のお祭りへ出かけます。





十番稲荷神社の例祭は9月にあるのですが、この8月は地元商店街を中心の納涼祭り、

大使館の多い土地柄、公園に各国の大使館の人がお国の料理の屋台を開いたり

和菓子屋さんやレストラン、焼肉店などなどおいしいお店が多い麻布十番ですので

金魚すくいやかき氷などの屋台に混じり、地元のお店が出店する屋台の料理が何より楽しみなのです。



イタリアンの屋台でシャンパン、焼き肉屋さんの屋台で骨付きカルビに韓国焼酎、

中華料理屋さんでは北京ダックにビール、老舗のお煎餅屋さんや鯛焼き屋さん、

なんてそれぞれの美味しいところだけつまみ食いしながら歩いているうちに

最終日ということもあってすごい人手となっておりました。



年々浴衣姿の方も多く増えて、

可愛らしい子供の浴衣から、着物風な古典調の浴衣、キリッと髪をあげた薄物姿、

男性も若い男の子から、渋いおじいさんまで、とにかく浴衣姿の方が多く

それぞれの方の着こなしを見ているだけでも楽しいものでした。




7月には間に合わなかった娘の浴衣も仕立て上がり

二人揃って白地の新しい浴衣を初おろしで着てまいりました。





白地の浴衣だったので、上の子には赤い大きな絞りの鶸色の兵児帯を

下の子には家内の使っていた絞りの帯揚げを兵児帯代わりにして締めてあげました。



白地の浴衣で、汚さないかと最初は心配していたのですが

そこら辺は子供たちも新しい浴衣が嬉しいようでちゃんと心得ていたようで

いつもよりちょっとお行儀がよいような気もします。






暑かった夏も、日差しは強く気温は高いながらも

湿度がだいぶおさまり、一時ほどのむっとする暑さはなくなってきました。

残暑の中にも自然と秋らしい風も吹きはじめ、気がつくと季節も移り変わって行きます。



渋谷は9月18日の日曜日に地元の八幡様のお祭りがあります。

109前に12基の御輿が集まり、道玄坂を一列に揃ってパレードする連合渡御が有るのですが

その時が浴衣の着納めとなります。



また来年のために綺麗にしてしまってあげるのですが

季節の品を新しく出すときと同様に、シーズンが終わって箪笥に収めるときも

一つの季節が終わって、次の季節へ、

同じように季節の移り変わりを感じることが出来ます。





これからの季節のそんなお洒落を楽しんで頂くために

玉川屋では9月9日(金)より13日(火)まで渋谷のお店で

「秋のよそおいの会」を開いております。 (期間中は日曜日も開いております)


着物ならではのコーディネートをテーマに、礼装からおしゃれ着まで

玉川屋なりの思いのこもったお品をお揃えしてまいりました。



一足早く秋の趣を楽しみに、お気軽にお遊びにおいで下さいませ。

(「秋のよそおいの会」の詳細は近日中にHPにてご案内をさせて頂きます)


少し涼しさを感じるくらいの頃に、夏のお疲れも出やすいものです。

皆様お体にも十分ご自愛をして下さいませ。




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8月6日

つれづれ日記 「越後の産地行」


大暑の節気どおり、暑さ厳しい日が続きますが

お変わりなくお過ごしでしょうか。



皆様いつも有り難うございます、

玉川屋呉服店の石井貴彦です。



五月の連休の頃よりお店の中には涼しげな薄物を掛けてまいりました、

カッとする強い日差しには、目にも涼しく楽しませてくれる夏の着物たちです。



玉川屋では8月10日より17日まで夏のお休みを頂きのですが

それを境に、薄物や浴衣はお店の奥の棚にしまい

お休み明けからは、秋に向けたお品が店内を飾ります。



もちろん、夏のお品は一年中ご用意はありますので

「そういえば、夏にはこんな帯がほしかったのだけれど見つからなかったのよね・・」

なんてお話が出て、真冬に薄物をお目にかけたりすることもあります。



 (時期はずれでも、そんなお話の中からのご意見を元に

  年が変わって早々から夏に向けての品創りを始めるのです)




その区切りの時期を前に、毎年越後の産地へと行ってまいります。



秋や冬のお品ももちろんの事ながら、

来年の夏に向けてのお品の打ち合わせもしてまいります。





今回のメインは来年用の夏の塩沢の色を頼んでまいりました。



すっきりした調子の縞の夏塩沢がお店に揃えたいと思っておりましたが

なかなか気に入る色目や縞の大きさがなかったりします。



「こんな縞の具合で(縞の間隔や、子持ちの縞の太さなど)、こんな色合いで・・」

といったことを、見本の反物や、以前の織り見本、色見本調、アパレル用のカラーチップなど使いながら

機屋さんたちと相談をしてまいります。



織物は経糸と緯糸が組み合わさって色が出てまいりますので

糸の色を決めても、実際のお品はまた違う色目となってまいります。



「こんな雰囲気で・・」こちらの思いやイメージをお伝えして後は機屋さんにお任せすることとなります。

それぞれの、普段のコミュニケーションや信頼感がないと、なかなか思いが伝わらないのですが

実際にお客様に接する私ども呉服店と、品創りに徹する作り手さんとが

お互いの足りない部分の情報を保管しないながら、より楽しくお召し頂くことが出来るお着物を

作って行きたいという思いで進めてまいります。




織物は一度に数反分の糸を染めますので、一反分だけ誂えるという訳には行きません。

そうはいっても玉川屋のお店でも同じお品を何点も揃えるわけには行きませんので

本来なら、織物のあつらえなどは不可能なのです。



でも、日頃からお客様に接して、色々なお話をしている

呉服店の意見を自分たちの品創りの参考にして、お召しの方に喜んでもらいたい・・

そんな風に思ってくれている作り手さんですので

それぞれに協力をしながら、色々なことにチャレンジが出来るのです。




この秋のお品も勿論ではありますが、夏塩沢や明石縮み、小千谷縮みなど

来年の夏の涼しげな薄物のラインナップもまた楽しみにしていて下さいませ。




 「へぎそば」



越後へ行ったときの楽しみは、「へぎそば」です。

つなぎにふのりを使ったへぎそばは、とても強い腰のあるおいしい蕎麦です。

越後の山の中で作られる蕎麦に、なぜ海のものである布海苔が使われているかというと

織物の染織の行程の中で布海苔が使われるのです。



 「ふのり」



茹でたてのみずみずしい蕎麦をさっと食べるのが「へぎそば」の一番の味わい方です。

へぎと呼ばれる大きなざるのに一口分に小分けされた蕎麦がのっているのですが

最初に食べ始めたときと、最後の一口を食べるときでは、蕎麦の水気も乾いてきて

味が違って感じられるくらいです。



東京でも「へぎそば」の店はあるのですが、当然水も違うでしょうし

全然違う食べ物くらいに思います。



沢山ある「へぎそば」のお店の中でも、玉川屋のお薦めは「由屋」さんというお店です。

「由屋」http://www.jalan.net/kanko/SPT_166154.html

新潟方面へ行かれる機会のある方は是非一度ご賞味を!




越後には、他にも風情のある旅館や、料理屋さんなどがあります。

行く度に色々なところを見てくるのですが、

来年の初夏頃には、一度お客様方と産地の見学をかねて行ってみたいなと思っております。



色々なお着物の楽しみをご一緒できれば、と思っております、

暑さもこれからが本番ですが、暑さに負けず涼しげな薄物をお楽しみ下さい。



大暑の折、皆様お体にも十分ご自愛下さいませ。




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7月23日

つれづれ日記 「自分なりの着こなし、 夏の装いを涼しく・・」


皆様いつも有り難うございます

玉川屋呉服店の石井貴彦です。



全国的に梅雨も明けていよいよ夏本番の強い日差しとなってまいりました。



5月の連休明けからお店に並べ始めた夏のお着物も

おかげさまで大変好評を頂き、なにぶん小人数のお店でありますもので

お店も毎日忙しくホームページの更新もすっかりと間が開いてしまいました。



アドレスをを登録頂いております皆様に先日お送りをさせて頂きましたメールでの

季節のお便りを今回はご紹介させて頂きます。



メールをお送りしましたのは6月の末の単衣から薄物に替わる頃だったのですが

夏物を涼しく着ることなどを書かせて頂いておりましたため

季節が変わりちょうど薄物を着る時期になったこの時期に載せてみました。




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お天気による気分的なものは大きくて

お店のウインドウや店内には

涼しげな薄物や浴衣がかけてあるのですが

日差しの強い日には「やっぱり薄物だよね・・」なんて気分になるのですが

雨が続いて肌寒いくらいの日にはまた違ったお品のように目に映ったりもします。



季節に合わせた着物の暦はもちろんありますが

その日の陽気や気分に合わせた着方も自然となります。




「単衣はいつから着ていいの・・」「どの時期から薄物を着るの・・」

お店でもメールでもそんなお問い合わせはよく頂きます。



フォーマルな席やあらたまった席では

ご自分のお洒落のためというよりも

その席を主催される方や会の為に

気持ちを正して着物を着てゆく・・・そんな着方になります。



そうすると、その時期らしさや席の設い(しつらい)を引き立てる為に

本来の暦通りに近い形のお召し物をお勧め致します。



一方、気軽なお出かけやお食事に、といった機会には

汗を流しながら厚手物ものをお召しになっていても

苦しいだけてちっとも楽しくならない事と思いますので

最初に書いたような、その日に合わせた着こなしで

気軽に楽しんで頂くのがよろしい事と思います。




「じゃあ具体的にどんな風に区別を・・」ときかれると

その時期やご一緒される方、その場の雰囲気など

TPOによってもそれぞれ違ってくると思います。



よくお話しするのは、

「まずは自分なりの思いで着て、楽しく出かける事です」

という事です。



いざ、お召しになって出かけてみると

「今日の雰囲気にはぴったりだった・・」とか

「あの方の着こなしは、この場にはちょっと合っていないかな・・」など

ご自分なりの思いが自然と湧いてくるはずです。



何度も着て出ているうちに

そういった思いが徐々に蓄積されてきて

ご自分なりの着こなしのパターンが自然と出来てくるものです。



本や着付けのテキストなど色々な情報がたくさんある分、

お召しになってお出かけをしないうちに色々と勉強しすぎると

かえって何を着ていてもどこか違っているような気さえして

出かけられなくなってしまう事もあるようです。




まずはご自分なりの思いで着て楽しむ事

それが何より一番です。



着ているうちに

「着物も自分に慣れて、自分も着物に慣れて、」といったものと思います

焦らずに、一生楽しむものと思って

じっくり自分なりの着こなしを作り上げるのもまた楽しみな事と思います!




そのようにおめしになっていると

あまり好き勝手に崩して着るより

昔ながらの暦を大事にしながら、自分なりに自由を持って着る・・

そんな着こなしに自然と戻ってくるようですのでまた面白いものです。




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暑い季節には、どうしたら涼しく着られるの・・

というお話もよく伺います。



何にも着ていなくても暑いくらいの夏本番、

目には涼しげに映る薄物を

着てる本人もいかに涼しくお召しになるか夏のお洒落には大事なポイントです。



袖を短くしたり、といったデザインをかえる訳には行きませんので

一番のポイントは下に着るもので涼感を得る、ということです。




襦袢の素材一つでも、絹(絹にも絽や紗、紋紗など色々あります)

麻、海島綿、レース、化繊といった素材がありますし

お仕立て方も、長襦袢に仕立てたり、嘘つき襦袢にしたりと

変わってまいります。



襦袢の下に着る肌着も、

晒(さらし)やプリーツの入った縮み、麻などありますし

薄手のものもあれば、汗をしっかり吸うように中に汗取りが付いた

品もあります。



それをお召しのなり方もまた色々で

汗をかくからと汗取りのしっかり付いた肌着をお使いの方もあれば

お召しの後にはよく風を通して、シーズンの最後には汗抜きをするからと

下着の上にすぐに麻の襦袢を羽織ってしまう方もおいでになります。



足下の足袋にしても、木綿のものあれば

麻の素材の足袋もあります。




夏のお着物をよくお召しの方に伺うと

皆さんお一人お一人に、それぞれ涼しくお召しになる

工夫や知恵があったりします。



どれが良いの? と聞かれる事もあるのですが

お人それぞれだったりも致しますので

「ご自分なりに色々試してみてはいかがですか・・」

なんてアバウトな返事になったりします。



長襦袢も、上にお召しのお着物によって相性もありますし

勧められて使ってみた肌着だけれど自分にとってはもう一つ・・

といった事もあるはずです。




「所詮は着るもの」 と、いってしまうとちょっと言葉が乱暴ですが

まずは自分が心地よく楽しめるというのが一番です。



色々な話を聞いたり、情報を仕入れてみて

そこからだんだんに自分なりに心地よい道を見つけてゆく、

そんな感じではないかなと思います。




よく、お店に祖母が座っているとお客様から

「お着物が似合っていていいですね」なんて声をかけて頂きますが

毎日着る着物ですので特別上等な物でもなく

どこかしら汚れもあったりするのですが

なんとなく、しっくりと身に付いた雰囲気で着ているところに

そんなお声を頂くのだと思います。



何十年も着物を着ている事の

年季といった事なのかなと思ったりします。




洋服は、流行の着こなし方などもありますので

うまく着こなせば、すぐに今風のお洒落な雰囲気で

お召しになる事も出来るのですが

ぎゃくに着物は、はやりや流行もない分

すぐにぴったりの着こなしが出来るのではなく

お召しになっていくうちに、だんだんと他の方とは違う

その人なりの着こなしが出てくるのだと思います。




ご自分の着物姿をみて

「去年より今年の方が素敵な気がする・・」

毎年、毎年そんな風に思ってゆけるのも

着物ならではの楽しみではないでしょうか。



長年にわたって、そんなお楽しみに

じっくりお手伝いがさせて頂けるのが

私たちのような呉服屋の楽しみでもあったりするのです。




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シーズンの終わった袷や単衣のお着物の

お手入れなどは大丈夫ですか。

「シーズンの最後にお手入れを」とお客様にはお話ししながら

恥ずかしい事に、自分の薄物を去年そのままにしてしまっていたようなのです。



一枚タンスに見つからない着物があり

あちこち探していたら、お店の棚の奥に風呂敷に包んでしまってありました。

シミヌキ屋さんに出すべく伝票がつけたまま置いてありましたので

自分では手入れに出したつもりでそのままにしてしまっていたようです。



男物は衣紋を抜かない分

衿がいつも首にあたっていますので

汗がしみやすいのですが

見事に衿が黄色く跡になってしまっておりました。



慌ててシミヌキをして無事に今は涼しく着ているのですが

お手入れの大切さを我が身を以て実感する事となってしまいました。




神経質になりすぎる事はないのですが

しまうときに、きれいにしてしまっておく

次にお召しの時にはそれが何よりご安心な道です。



単衣や袷の着物、今一度ご覧になってあげてから

おしまい下さいませ。





暑さもこれからが厳しくなって来る時期です

皆様お体にも十分ご自愛になって、お着物楽しんで下さいませ。




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5月12日

夏のご挨拶


桜や藤の柄をお店に並べているうちに

気がつくと春の陽気から初夏へと

陽気の変わる時期となってまいりました。



皆さまいつも有り難うございます、

玉川屋呉服店の石井貴彦です。



季節感を楽しむ事が出来るのも

お着物ならではの楽しみではありますが

その時期が過ぎてみると、その雰囲気が季節にぴったり合うのも

ほんの一時だったりもします。



それでもその趣を長く引きずらず

流行のない着物だからこそ次の年のその時期にまた楽しむ、

何年も何年もその季節のひとときに合わせて一番のお洒落を楽しむ・・



通年を通してお召しになれるお品がある程度揃ってきたら

そんな季節の趣のあるお品を、楽しんでみるのも

またお洒落の幅がずっと広がる事と思います。



街中には季節の様子が少なくなった昨今ではありますが

だからこそ自分なりの季節感を楽しんでみませんか!





最近は雑誌や新聞で「短歌」の記事を見かける事が多くなった気がします。



先日そのブームを解説した記事を読んだのですが

古くさい、難しい・・といったイメージから

テーマや詠み方もずいぶんと自由になってきた事もありますが

「五・七・五・七・七」といった文字に制約があり、

その制限のある中で自分の想いを表現する事が逆に面白い・・

そんな理由から気軽に楽しむ人が増えてきたという事でした。



決まり事が多かったりすると、ちょっと敷居が高い感じがして手を出しにくく

でも、いざ始めてみて段々に楽しさが分かってくると

その制約が逆に面白さとなってきたりする、



そんな話を聞いていると、着物と共通する感覚である気が随分します。




着ている人を見てみると素敵で、「自分でも着てみたい」

そんな風に思っていても「着方やTPO、コーディネートや季節感、

着付けなど難しそうでなかなか手が出せない・・ 」

といった思いの方も多いようです。



コーディネートや取り合わせは、本やテキストを読んでみても

読めば読むほどそれぞれ違っていて

そのうち「何を着ていてもどこか間違っていて、誰かに注意されそう」

そんな気になって、よけい着られなくなってしまって・・・

着物を着始めの方からは、そんなお話も伺う事がよくあります。



でもいざ着慣れてきてみると、それまでは重荷だった

コーディネートや取り合わせ、季節感といったことが

逆に洋服にはない着物ならではの楽しみになってきたりするのも面白い所です。




着物の中でも「夏物」は特にそんな印象が強いのではないでしょうか。



夏の涼しげな着物姿の方は素敵・・そう思う方は多いながら

いざお召しになるまでは、「暑そう」「着る機会が少なそう」といった理由から

二の足を踏む方も少なくないはずです。



もちろん盛夏の時期は、着物に限らず洋服を着ていても

暑くてどうしようもないくらいの日もあります。



おなじ暑い夏でも「涼しそうに着る」これが夏の着物のポイントです。




 涼しくて、汗をかけばお家で洗える「麻や海島綿の襦袢」、

 肌にぺたっとしない「張りのある素材の着物」、

 目にも涼しい「季節の柄」や「透感」「かさなる生地の映り」、など



涼感を自分で求めてお召しになる事で、

着る前に思っているほどの暑さは感じずに楽しむ事が

きっと出来るはずです。





「厳しい暑さ」や「お召しの期間」などの制約がありながらも、



 だからこそ逆に魅力的な「季節感に溢れる柄行」



   桜や藤の帯など、良いなと思いながらも「着る期間が限られるし・・」なんて

   つい敬遠してしまいませんか。

   薄ものは逆にそんな季節限定のお品が目一杯楽しめる時期でもあります。



 絽、紗、麻、綿など 冬の着物に比べて素材感も豊かな着物や帯



   おなじ絹でも、絽、紗、地紋の入った紋紗、さらに涼しい麻の素材や、

   浴衣のような綿の素材、紅梅など・・ 夏の薄物は袷の着物に比べて

   素材にもとてもバラエティーさが出てまいります。



   着物、帯、それぞれに豊かな素材感を組み合わせてのコーディネートは

   夏だけの楽しみであります。



   特に麻の素材は、熱や湿気を外へと散らしてくれますので

   夏の普段着としては一番のお品です。

   麻の着物と襦袢の組み合わせで出かけたりすると、沢山の汗をかきながらも

   風が吹くと暑さがすっとひく・・そんな感じを実感して頂ける事と思います。



     玉川屋では、越後の機屋さんにおいで頂いて「麻」についてのお話を

     伺ったりもしておりました。その時のお話の様子はホームページでも

     ご紹介をしておりますのでご覧になってみて下さいませ。

       玉川屋トークショー 「麻の話」 < こちらをクリック >



 目にも涼しげな、かさねの映り



   下にお召しの襦袢の白や、濃地の帯に白い芯が透けたり、

   2枚の薄い生地が重なって、その透け感が涼を感じさせる無双の着物などは、

   夏の着物ならではの風情でもあります。



   洋装のシースルーは本来見えない部分を透かせて見せる事が演出になりますが、

   着物の場合ははじめから映る事を前提に、涼しく綺麗に見せる事が出来るよう

   作られています。



    「暑い時期は薄色を」と、つい思いがちですが、あえて濃地の着物や帯で

    その透感を演出して、目でも涼を楽しむのも薄ものならではです。





書き始めてみると、色々と出てまいりますが

何より着ている自分が涼しく楽しむというのが一番です。



実際に着てみないと、着心地や雰囲気など実感できないのが

夏の着物でもありますので、どうぞお気軽にお召しになってみて下さいませ。



綺麗な色目の絽の小紋、張りのある夏の粋紗、風の通るのを感じられる麻の生地、

博多の帯など合わせて着物のようにお召しになれる絹紅梅の浴衣、などなど

色々な着心地を楽しんでみて下さい!




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玉川屋では、今週末の13日(金)より21日(土)まで

「夏のお支度の会」を開いております。  (期間中は日曜日も開いております)




着物ならではの楽しみが、ぎゅっと凝縮されている

そんな「薄物」が大好きな玉川屋が想いを込めて

去年の夏の終わりより一年をかけてお揃えをしてまいりましたお品です。



お洒落着から礼装、伝統産地の希少な織物まで夏のすべてをお揃え致しました。



シーズン本番に一足早く「涼」を楽しみに、

夏のお支度にぜひお気軽にお遊びにおいで下さいませ。



   詳しいご案内は、こちらのページでしております。 こちらをクリック



 ● 今年は例年にも増して品揃え豊かにご用意を致しましたので

    " お一人でも沢山の方にお召し頂きたく! " と

      ご来店の方には、

    「 お好みのお品を季節に先がけて一割引にてご奉仕! 」

       そして

    「 絽の半衿をプレゼント! 」  させて頂きます。

 

   お着物や帯をお買い上げを頂いた方には、

    「麻の白足袋」 または 「お扇子」の

      " 夏を涼しく楽しむアイテム " を差し上げます!



 ● 夏の着物を楽しむ決め手は、涼しくてお家で洗える襦袢です。

    特別ご奉仕品として、

      「白紋麻襦袢」 1万5千円

      「海島綿襦袢」 2万7千円  をご用意致しました。

    いずれも数量限定ですので、是非お早めにご覧になって下さいませ。




HPには、ギャラリー風に玉川屋の薄物の一部をお載せしてみました、

夏の着物ならではの季節感を楽しんで頂ければ嬉しいです。


   「 玉川屋 うすもの Gallery 2005 」 こちらをクリック




「夏こそ、お着物が一番楽しい季節」

  お遊びにおいで下さると、きっとそんな気持ちになって頂けるはずです!



                   是非お気軽にお出かけ下さいませ。




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夏を感じさせる様な陽射しがあったり、

春の初めの頃のように風に冷たさがあったり と、

日によって大分陽気の違うのが季節の変わり目の今の時期です。



お店で薄物の準備をしていても、「今日の天気なら夏物がぴったりだよね」とか

「ウインドウに薄い生地をかけるにはちょっと涼しいかな・・」 などと

毎日、違う思いが浮かんでまいります。



基本的な暦は決まっていても、そんな気持ちの移ろいによって

着こなし方が変わってくるのもまた着物ならではと思います。



色々な雰囲気で着る事が出来るのが今の季節の楽しさでもありますので

お好きなように気軽にお着物をお召しになって下さいませ。




気候の変わり目でもありますので

皆さまお体にも十分にご自愛下さいませ。




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