トピックス、着物つれづれなるままに


お着物や和のものについてのトピックスや、思いつくままに色々書いています。
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平成15年の9〜12月の分です。


10月22日

つれづれ日記 「祖母の次代にお求めいただいたお祝い着を、30年後の今年・・」


急に肌寒くなりましたこの所の東京の陽気です。

本来なら今頃の季節からすれば、ちょうど良い陽気なのですが

九月から十月にかけてがあまりに暖かかったので

急に涼しくなった様に感じます。



秋らしく爽やかに涼しくなったせいか、お着物でお出かけの方も急に増えてまいりました。

今年は夏のお天気が悪く、薄ものや単衣の着物を楽しむ機会が少なく消化不良の方も多いので

その分秋にはいると「さあ、楽しむぞ!」って気持ちに皆さんなるようです。



十一月にはいると七五三のお祝いの時期になります。

私も昨年娘2人の三歳と七歳のお祝いをいたしましたが

子供の健やかな成長の節目を祝う、そんなお祝いが出来る事は

お子さんにとってもご家族の方にとってもお幸せな事と思います。



着物姿でお祝いをされる方も最近はまた増えておいでで

今は店内にも着尺や絵羽柄、セットのお品など可愛いお着物が並んでいます。


  お店の中の様子は、<こちらをクリックして>ご覧下さい。



新しいお品をお作りになる方もおいでですが、今頃の時期はお父さんやお母さんのお品を

お子さんのためにお直しにお預かりする事も多くなります。





上のお写真は、お直しにお預かりをした5才の男の子の着物と羽織です。

私の祖母が30年くらい前にお客様のお孫さんのためにお作りしたお祝い着です。

生まれた時の産着を着物に直し、白生地を紋付きに染めて羽織をお作りしました。




 (羽織はお子さんがお召しになってちょうど良い様に、細かい地紋の白生地をお使いしています。
    羽裏も同じ生地をお使いしてお染めしてあります)



お召しになったお子さんも今はパパとなり、今度はその息子さんのために

その着物と羽織・縞の袴を、お手入れで私がお預かりしてまいりました。

保管も上手にしてあった事もあり、じっさいは染み抜きなどもほとんどなく

畳んでいるうちに出来た小シワを整理するだけでちゃんとお召しになることが出来ました。



祖母も、お作りする時には「何十年かして、きっと次の方がお召しになりますよ・・」と

お話ししてお作りした事と思います。

私もお品をお勧めする時に、そんな風にお話をする事もありますが

そんなに先の事って「お客様にも実感としては伝わりにくいかな・・」

と思いながらもお話しする事もあります。



でも、実際に年数を経ても綺麗にお召し頂けるお品を見てみると

「お作り頂く時には、しっかりしたお品をお勧めしておくのが一番間違えがないんだな・・」と

あらためて思います。



私が着物を着る時も、着物をはおってから「どの角帯を締めようか」と思った時に

自然と手が伸びる帯があります。

祖父から譲ってもらった「七子織」の角帯と、九月には京都から渋谷へ機も持ってきた「綴れ織」の角帯です。



どちらも良い帯なので、最初は大事に締めようと思っていたのですが

しなやかで緩まず、色合いもきれいな帯なので

いざとなると自然と手が伸びてその帯ばかりを締めているのです。

「良いものは、結局の所使い勝手がよいし出番も多い・・」

自分で着てみると、そんな事もよく分かります。


  (七子織りの帯は、祖父の箪笥から見つけて、頼んで自分のものにしてしまった帯で

    細かいベージュと深いワインの様な男物とすると結構モダンな色の市松の地紋になっていて

    締めて行くといつも着物ではなく、その帯を褒められる事が多いんです。)



手をかけて丁寧にお作りしたお品は、お召しになっても着心地もよく

色合いも深みがありその分取り合わせも広くなります。



ただ、実際のお買い物となりますと

お着物や帯のお値段はそのかけた手間の分のお値段となりますので

手をかけたお品は自然とお値段も伴ってはまいります。



お店でそんなお品をご覧になりながら、

「品は気に入っているんだけれどね・・」なんてお迷いになるお客様も少なくはありません。



一概に高いお品が、どなたにとっても似合うお品かというと

そういうわけでもありませんし、ご自分の雰囲気に合わないお品は

どんなに高価でよいお品であっても結局は箪笥で寝てしまう事になります。



つまるところは、どんなお品がご自分にとって一番お役に立って

永く大事にお召しになれるお品か・・  という事を、

ご自分の頭の片隅にいつも思っている事が大事かなと思います。



いざお品をご覧になって色々考えて迷うより、

ご自分のお役に立つお品がふっと現れた時に「あ、これかな・・」なんて思えることが

きっと後々になって箪笥に眠ることなく、 自分らしく装って楽しめるお品が自然と揃って行く道と思います。



  (と言いながらも自分の着物を選ぶ時になると迷ってみたりする事もあるのですが

    結局 "袖を通す事が多いのは、迷うことなく決断の早かった着物" である事も着てみての実感です)



お身内の古いお着物など、お召しになれるものは大切に役立てて

その分で、何か新しいお品を誂える時には生地や染め、織りのしっかりした

また永く大事にお召しになれるお品を・・・

そんな風にお客様にはお話をしております。



お召しになったり、後になって

「やっぱり、良かったよ」なんて言って頂けるのが

呉服屋にとっては一番嬉しい事でもあります。



爽やかで過ごしやすくお着物でのお出かけにも楽しい、秋のよい季節です。

是非お気軽にお着物お召し下さいませ。




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9月3日

「親子染色教室」


お天気のはっきりしない今年の夏でしたが8月のお盆休み明けの残暑の厳しい夏らしい日、

親子で染色の体験に行ってまいりました。



作るのは、友禅染めの巾着!

夏休みの宿題の作品にもと思って行ってきました!



当日の様子は、 <こちらをクリック> してご覧になって下さい。




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