トピックス、着物つれづれなるままに


お着物や和のものについてのトピックスや、思いつくままに色々書いています。
ご感想やご意見なもぜひお寄せください。
なるべく頻繁に更新するように頑張ります。
おいでになったら再読み込みして下さい。

平成14年の1〜4月の分です。


4月23日

「着物教室のお出かけ会」 & 「桜の集い」


半年クールでさせていただいている、玉川屋の着物教室ですが

くぎりの時期にはお教室に参加の方や、今までの生徒さん達、

お友達方や、お店においでを頂くお着物の好きな方々と

お食事会を致します。



着物の着方を習うのではなく、着物を着る楽しみを学んでほしい・・・

そんな気持の着物教室ですので

お稽古もさることながら、着物を着て楽しむことがまず一番!

というわけで、今回は築地にあります「田村」さんという料亭さんへ

20人ほどのお着物姿でお出かけしました。





ここ数回は、フレンチやイタリアンのレストランが多かったので

今度は和食の懐石が・・というリクエストで伺ったのですが

季節感のあるお料理は美味しいのはもちろん

とっても品数も多く、皆さんしっかりお召し上がりでした。

よく、「着物を着ていると、お料理が食べられない・・」

なんてお話も伺うことがありますが、玉川屋の皆さんは

ご自分で楽にお召しになるので、男性の私でもちょうど良いくらいのお昼を

皆さんデザートまで(デザートも二品出ておりました)

しっかりとお召し上がりでした。





今回のお出かけの詳しい様子や、今までのお出かけ会の写真、

玉川屋の着物教室のご案内などは、着物教室のご案内のページでご覧頂けます。

こちらをクリックして下さい。



お出かけ会を致しました4月7日の日曜日は、

玉川屋の加盟するきもの呉盟会主催の「桜の集い」も

品川の高輪プリンスホテルの庭園にて開かれておりました。



例年より半月早い桜の開花で、桜の盛りは過ぎてしまっていたのですが

14種類の桜が咲く庭ですので、最後の八重の枝垂れ桜がちょうど頃合いとなっておりました。



築地でお食事をした後、皆さんで銀座まで歩いてゆき

(20名のお着物姿で歩く様子、なかなか素敵なものです。)

お時間のある方は、地下鉄で品川までお出かけになり

桜のお庭でお抹茶を召し上がって頂きました。





こちらの会も、総勢で300名近くの方のお出かけを頂き

一日中着物姿の方でお庭の中はいっぱいといった様子でした。

お好きなお着物でお出かけ下さい・・ という会ですので

私共のお客様でも、

「せっかくだから、お友達とみんなで振袖を着てゆきます!」

なんて方もおいでで、桜にも負けない華やかな振袖姿を楽しませていただきました。





こうして一日、お着物を楽しんでいると

「気軽に、着てたのしんでこそのお着物!」ということを

あらためて実感いたします。

最近着始めた初心者の方も、こだわりをもって着こなす着慣れた方も

それぞれの方なりに、自分らしいお洒落が楽しめる、日本の着物・・・

流れる風も爽やかに、お出かけにも楽しいこれからの季節、

是非お気軽に楽しんで下さいませ!



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4月6日

おもいつくままに つれづれ日記 「誂えの第一歩目」


皆さまいつも有り難うございます。

玉川屋呉服店の石井貴彦です。



あまりに早い今年の東京の春、

今週末には、玉川屋の加盟する「きもの呉盟会」の主催で

品川の高輪プリンスホテルのお庭で「桜の集い」を予定しているのですが

東京の桜の満開は、半月前の3月21日の春分の日・・・



当日の運営を担当をする、私たち組合の青年部も

「普段の行いが悪いんじゃない?」

なんてお客様に冷やかされながら心配していたのですが

三百名以上の沢山の方からお申込を頂き

あらためて皆さんの着物を楽しみたいというお気持ちを感じております。



 14種の桜が植えられている、高輪プリンスは

 ちょうど八重の桜がよい頃のようで、ちょっとホッとしています。

 お庭の様子は、

 インターネットのライブカメラでご覧頂くことも出来ます。

  「こちらをクリック」http://www.princehotels.co.jp/info1/sakura/today/today.htm




当日は、私は玉川屋の着物教室が3月で修了と言うこともあり

お教室の皆さんとお着物を着て昼食会をしてから、「桜の集い」へまいります。



皆さんとご一緒に、一日お着物を楽しむ日となりそうですので

そんな様子もまたホームページでご紹介させていただきます。




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「着物を着るときに、何か参考になるような本はありませんか?」

お店でもホームページでも、よくそんなお問い合わせを頂きます。



女性向きの書籍は、色々と有りますが

特に男性の方向きの本は今まであまりありませんでしたが、

光文社新書から、

 「男、はじめて和服を着る」という本がこの春出版されました。 



著者は、インターネットのホームページ「男のきもの大全」でも

ご存じの方が多い早坂伊織さんです。



和服に携わるお仕事の人が書いたり、解説書のような着物本の多い中で

着物を楽しんで着る方の立場からの数少ない本の一冊です。



テーマは男性の着物ですが、着物全般に通じての話も多く

男性のみならず女性の方が読んでも

きっと参考になることも多いことと思います。




本来、家の中でお婆さんからお母さんや娘へ、

(または、お祖父さんからお父さんや息子へと)

自然と日常の生活の中で、

着物をはじめ日本の伝統的なものは伝わって来ておりました。



生活習慣の変化の中で、そう言った流れが一旦とぎれた今の時代では

本当なら、私たち呉服屋がそう言った役目をになわなければとも常々思いますが、

呉服に仕事として携わる立場からではなく、着る方の立場から語られるお話は

初心者の方には、分かりやすい入門書として

着慣れている方にも、また一つ着こなしの幅を広げるきっかけとして

きっとお役に立つこととと思います。




 早坂伊織著 「男、はじめて和服を着る」  光文社新書  760円+税



玉川屋のお店にもご用意していますので、

お店においでの時でもご覧になってみて下さい。




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最近は、誂えのご注文を頂くことが多くなっています。

あらたまった訪問着や礼装のお着物ではなく

普段にお召しになるお品に

ちょっと自分らしいこだわりを入れて誂える・・

そんな、リクエストがふえています。




自分が着たい、ってお品があっても、

ちょっと以前の流行で着にくかったり

ぎゃくに、今の流行りで同じ雰囲気のお品が街中に沢山あったり

「以外と洋服って個性を出しにくいんだよね・・」



最近はそう思われて、着物をお召しになる様になる方が

男性、女性を問わず増えてきている気がします。

着物はシルエットとしてのデザインは皆さん共通であり

流行や周りからの変化に左右されることがないだけに

逆に自分の想いや、こだわりを持って着こなすことで

自分の着物姿の雰囲気を作ることが必要であり、楽しみでもあります。



といっても、しきたりやルールに

難しく頭を悩ませながら取り合わせるのではなく

あくまでも自分の好きなように、着こなしを楽しむ・・

そんな軽い気持で楽しんでいただきたいと思います。



着物や帯をとりあわせて、

帯揚げや帯締め、半衿、バッグや袋物などでちょっと遊んで・・

そうしてお召しになっているうちに

どこかに自分なりのこだわりを入れたお品を装いたい、

「じゃあ、自分のリクエストを入れて 創ってもらおうかな・・」

と、お声がかかるのです。



誂えといっても大仰なことばかりではなく、

色々と楽しんでいただく事も出来ます。



例えば、

●無地風の染め着尺や紬地に

 ワンポイントの刺繍を入れて・・

   古典調の加賀紋、ラベンダーや洋花のブーケ、鈴や風車・民芸調の玩具

   唐子や童子、猫や兎の生き物の柄、 あるいは自分の書いた下絵を持って

     などなど、いくらでもお好きなように!



 上前の八掛にだけ、ちらっと見える柄を染めて・・

   さらっと着ていても、あっと気づいた周りの人の

   「あら、お洒落ねえ」って目が楽しかったり




●お店にある着物や帯でも



  こんな地色なら、こんな柄が入っていれば、

  あるいは生地の地風を変えてみたり、

  といったリクエストも玉川屋でお作りしたお品なら

  色々なアレンジもお受けしています。




●せっかくなら一から自分のお好みの雰囲気で



  下絵やさんに下絵を描いてもらい、それを見ながら柄を修正して

  地色を決めて、雰囲気を相談しながらそめて・・  出来上がりを楽しみにまつ



  友禅の品だけでなくとも、こんな小紋がほしい、というリクエストなら

  小紋の染め屋さんの型紙からお好みの雰囲気を探したり、

  いっそ型を作ってしまったり、なんて事も可能です。 

      (私も着ている、玉川屋の男物の小紋の着物は

       こんな風に一反づつ染めてお作りしています)




もちろん、同じ雰囲気のお品が沢山あってはつまらないので

誂えるときには、それぞれの方に合わせて雰囲気を変えながら

個性のあるお品にしてまいります。



誂えるときに、一番難しいのは

お客様の思い描くイメージと、出来上がってくるお品のイメージを

いかに合わせるかと言うことです。



例えば、冬の一月にお承りして春の四月に着ようなんてお品も

ご注文を頂くときには気持の中には、冬の感覚がどうしても残っています。

でも、お作りした品を実際にお召しになるのは暖かい春になってからです。



ご注文いただいた時にご覧頂いた色目どおりに染め上がっていても

気持ちが冬から春へ移ってくるうちに、

自然とイメージが変化してくることもあります。



たとえ、1月の雪が降る日においで頂いても

私共もお客様も、頭の中を桜の楽しい春のイメージにしながらお話をして・・・



そんな風にしながら、

いざお召しになるときに目一杯楽しんでいただける、

そんなお品が出来れば

呉服屋としては一番楽しいお仕事でもあります。



  先日、桜の帯をお染め頂いたお客様は、思ったよりも桜が早い今年でしたので

  出来上がりの帯をお店で締めて、お出かけになって下さいました。

  時期にぴったりの桜の帯、お羽織もぬいで帯付きでお帰りになる後ろ姿は

  とっても素敵で、見ている私たちも嬉しくなります。




五月に入ると、お店の中はすっかり夏の支度となります。

今年は、夏のお品はもちろん色々とお揃えしますが

ちょっとこだわりのあるお洒落のお手伝いが出来ればと、

夏の染帯や、秋のシーズンに向けての染帯のお誂え会をお店でする予定です。



いつか自分の思いを込めた帯を・・・

といった方は、その日のためにイメージを膨らませに

どうぞお遊びにおいで下さいませ。



また、お誂えだけではなく

色々なリクエストやお問い合わせなどもお気軽にお寄せ下さいませ。




桜も盛りを過ぎて、初夏のような陽気の日さえありますが

季節の変わり目で、「花冷え」なんて言葉もございます。

皆さまお体にもお気を付けになって下さいませ。



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3月25日

久しぶりの、つれづれ日記 「沖縄の染めと花織り」展 と「早咲の桜」


東京は例年より半月早い、びっくりするくらい早咲の桜の春です。

観測史上最速の桜の満開を迎えた春分の日、

赤坂のサントリー美術館での「沖縄の染めと花織り」展を見て

皇居のお堀沿いに土手の桜を眺めてきました。



沖縄展では、紅型の染め物をはじめ

花織りや芭蕉布などの織物などが展示されておりました。

男性女性、またご年代を問わずずいぶんと沢山の方がおいででした。



 図録の下は、紅型の染帯と、桜の花で染めた花織りの帯です

紅型の染め物は、独特の色使いの中にあって

柄の縁や、模様の中で、地を残した白い部分が、

自然と全体の色の調和をとっています。

さらには、白の部分も、色の部分も、麻、絹、綿といった

それを染めた素材のそれぞれの風合いによって

表現されれる雰囲気がまた違ってまいります。



展示されている品々は、

時代を経てきたお品も多いので色も自然と褪色してきているお品もありましたが

それでも多くのはっきりとした色合いを使いながらも

全体としてまとまりよく仕上がっている品々は

ガラスの中のお品ではありますが、見ていてホッとする気持にさせてくれます。



花織りも、時代や用途、織り方などで多様性のある

裂地が展示されており、同色の糸だけで織った花織りなど

逆に今あまり目にするお品でないだけに

きっと着物で着てみたら素敵だろうな・・なんておもいながら

眺めていました。



サントリー美術館を出ると、すぐにお堀にかかる弁慶橋があります。

右手に赤坂プリンス、左手にホテル・ニューオータニ、と歩き

紀尾井坂を上ると、四谷に続くお堀沿いの土手に出ます。





のどかな春4月の陽射しを受けながら歩く桜の道、

そんな情景がいつもの年でありますが

今年は半月早くすっかり、

そのせいかピンクよりは大分白っぽいと感じる花の色の

満開となった桜の中を歩いてきました。





かなり強い風の吹く日ではありましたが、

ちょうど満開となった桜は、まだ花を散らさずしっかりと耐えていました。



着物や帯にも桜の画は良く用いますが

満開のやわらかな雰囲気や、ひらひらと散る花びらの可憐さや儚さ

そんな情景をイメージしながらのお品とする事が多いものです。



でも、この日の桜から感じるイメージは「力強さ」でした。

早い春の陽射しをしっかりと身につけて、思い切りよく開いた花には

風にも負けない、満開のその一瞬の力強さ・・そんなものを感じた気がします。



何年か京都におりました頃、

友禅の職人さんの所へゆくのに、毎日賀茂川沿いの桜の道を通っていました。

そうすると、冬から春へと徐々に季節が移り

桜の花もつぼみから、花がほころび始め、そして満開へ

それからきれいな桜吹雪を見せて花が散り、やがて新緑のみずみずしい青さへ、

お花見をしに行ったその日に見た桜ではなく、

季節と共に毎日を見た桜だからこそ、花の色々な表情を

そして、「今日だ!」っていう満開の一番咲きそろった日も

見ることが出来ました。



同じ桜の花を見ても、感じるものはその時によって

人によっても、その時も気持によっても、

あるいは朝と夕でも、きっと違うはずです。

何を感じるかは、その人なり、その時なりのものです。



着物に置き替えてみると、何を想って着るのかは

その人なり、その時なりのものです。

どんな雰囲気の自分でいたいか、そんなことを想いながら

取り合わせを考え、着付けてゆくはずです。

落ち着いた雰囲気で・・ 可愛らしく・・ 品良くおすまし・・

あるいは、 華やかに・・ 力強く・・?



着物だけではないはずで、

たとえば私もスーツにネクタイといった格好の時には

落ち着いた雰囲気にしようか、ちょっと派手に目立つくらいで・・などと

想いながら襟元にネクタイをあてたりしています。



自分の思いこみと、今の気分、

そんなものをどんどんほおりこんでいくのが

お洒落をすることの、一番の楽しみと思います。

人には分からなくたって、これが今の自分の気持ち・・

そんな想いで、この春のお出かけを楽しんでみて下さい。



色々にお洒落を楽しんでみると

そんな想いを一番表現しやすいのは「着物だ!」って

きっと気がつくことと思います。





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2月20日

春の一日、「桜」と「着物」を楽しみませんか!


風はまだ冷たいながらも、

昼間の日差しは春のような暖かい日も増えてまいりました。



今回の江戸小紋展では、さくら、ふじ、なのはな・・・といった

季節の染帯などをご一緒にお揃えしてみましたが

お店の中も自然と春らしい気持になってまいりますので、不思議なものです。



そんな待ち遠しい春の季節に、

桜の花と共にお着物を楽しんでいただきたい

「桜の集い」のご案内です。



玉川屋の加盟する「きもの呉盟会」の主催で、

4月7日(日)に品川の高輪プリンスホテルの庭園で

「桜の集い」を催します。



14種類240本の桜が見事に咲き誇る庭園にお着物姿でお出かけ下さると、

庭園内で召し上がっていただける、喫茶券を進呈いたします。





「和」の文化への興味や関心を持つ方がとっても多いようですが

「着物を着てみたいのだけれど、着る機会が無くて・・・」

といった声を多くの方から頂きます。そんな声にお答えして、

春の良き日、一日お着物を楽しむきっかけになればとの企画です。



今年で4回目を迎えますが、昨年の「桜の集い」には

300余名の方においでを頂き、庭園の中は、桜の花にも負けない

素敵なお着物姿の方でいっぱい・・ そんな雰囲気の一日となりました。





ことしも、「桜」と「着物」という日本の心の情景を、

多くの方に感じて頂いて

ますます着物が好きになっていただければと思います。



・・・・詳細・・・・

 日時  4月7日(日) 午前11時より午後3時

            (ご都合のよろしいお時間にお出かけ下さい)



 所   高輪プリンスホテル   JR品川駅より歩いてすぐです。

      (一階のロビーに受付があります)



参加費  無料です(ただし、お着物姿でお出かけ下さい!)



お申込  お申込いただきますと、当日の喫茶券と交換になります

     参加チケットを郵送にてお送りいたしますので、

     お電話、メールまたはFAXにて、お名前と、ご住所、お電話をご連絡下さい。

        メールにてお申込の方は< こちらをクリック >

          玉川屋呉服店 東京都渋谷区円山町5-3   電話 03-3463-2527

                                 FAX 03-3463-2557

    (お友達とご一緒に参加の方は、その旨ご連絡くださいませ)



当日、楽しい日々をご一緒できるのを

楽しみにしております!



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2月15日

江戸小紋の工房見学へ行ってきました。そして、染色の体験も!


今日から、渋谷のお店では「江戸小紋展」を開いておりますが

それに先だって先週末には、昨年の夏に続き

江戸小紋の工房へ見学に行ってまいりました。



前回は真夏の暑い最中で、今回は真冬と

厳しい気候の時期ばかりとなってしまいましたが

かえって、それでもその中でお仕事される様子をご覧頂けたことで

皆さん色々思われることも多かったようです。



まずは、板場で型紙や染め付けの様子を拝見しました。


   (今回は、カナダ人の女性の方もご参加下さいました。)



つづいて、「蒸し」や「しごき」、「色合わせ」、「水洗い」、「補正」など

一通りの工程を拝見しましてから、(工程の詳細は前回の見学会の様子をご覧になって下さい)

今度は自分で袱紗に糊を置く染め付けの体験を致しました。

    前回の工房見学の様子は、こちらを< クリック >



袱紗に二つの柄を染めるため

境目にテープを貼り、指導を受けながら型紙に糊を置いてゆきます。

さっきまで職人さんが手際よくやる様子をみていたので

自分も同じように、さっと・・・ と思いながらも、なかなか手が動かず、

それでも何度か繰り返す内にずいぶん皆さん手際がよくなってまいりました。



表に型紙を使い糊を置いて、地色を染めて、後日袱紗に仕立ててお手元にお届けします。

どんな風に染め上がるか、出来上がるまで皆さんお楽しみのことと思います。





今回は、私も糊置きをご一緒に体験してまいりました。

着物で伺っていたので(良く見えないかもしれませんが、男物の小紋の着物です)

たすきを掛けていたしました。

動くのに邪魔なのは袂だけですので、こんな風にたすきを掛けてしまうと

着物もずいぶんと仕事しやすいものです。





真上からかがむようにして、手だけを動かすのではなく体全体で

糊を手前から向こうに置いてゆきます。

たしかに、手だけを動かすと型紙とヘラの角度が自然と変わってしまい

型紙の奥の方まで糊が着いてゆかないのです。

そんなことを思いながらしている内に、だんだん手前から向こうの方まで

自然と糊も届くようになり、やっぱり自分で体験してみて感じることの大切さを

あらためて思いました。



私は染めるときに二つの柄をおかず、一つの柄で型を継いでみたのですが

型紙の「ほし」と呼ばれる小さい点を使い型を継ぐ方法は

以前から教えてもらっており、良くお店でお客様にもお話ししていたのですが

いざ自分でして見ようとすると、最初は全然位置の分からないくらいの点で

苦労しながらの型継ぎでした。



一反約12メートルの生地に、数十回と型を継いでゆく様子を何回も拝見していますが

伺うと、型紙それぞれにも微妙に彫りのクセや型継ぎのクセが有るようで

それを把握しながら、少しづつ調整して型を継いでゆくとのことで

何気なくさらっとこなしているようで、細かい注意を払いながらの手仕事が

あらためてよく分かりました。



最後に、染め上がりの品を見ながらお話を伺ったのですが

印象に残ったのは、

工程をずっと見てくると、細かい作業や、色合わせ、補正などの

技術的なものに目がゆきますが

じっさいは、着てみてどれだけお洒落が楽しめるかということで

結局は色や雰囲気のセンスが大事・・ というお話でした。



手彫りの型の手染めの品から、もう少し簡易なスクリーンの型を使ったお品まで

色々なお品がありますが、どれが良いとか上とかいうのではなく

どんな風に自分の雰囲気でお着物をお召しになるか、

そのことが一番楽しいし、大切な事で

そんな時に、きっと今回のように直に感じていただいたことが

参考になることと思います。



これからも、色々な企画も立ててまいりたいと思いますので

どうぞ皆さまお気軽にご参加下さいませ。



    江戸小紋展のご案内は、こちらを< クリック >

    展示会の店内の様子は、こちらを< クリック >

    前回の工房見学の様子は、こちらを< クリック >

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1月12日

今年もよろしくお願いいたします  「今年のテーマはコーディネート」


皆さん、おめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。



年が明けてから東京は急に冷え込んでまいりましたが

今年のお正月は街中のお着物姿の方も多い気がします。

仰々しくではなく、さらっとご自分の雰囲気で・・

そんな着こなしの方が増えてきたようです。



今年最初の家族揃っての着物姿です。

私は深緑の小紋に鉄紺の召しのはおり、

家内は、私の母からのローズピンクの鑞吹雪の紬地の小紋に紬地に椿の八寸帯

子供達は、ウールのお対の着物です。



あとで、写真を見ながら思い出して、毎年のお正月の写真を出してきてみると

毎年、着ている着物や取り合わせは 違うのですが、

「あの時は、たしかこんな事考えてこの着物にしたな」とか、

「家内に、この着物にはどっちの帯がいい? ときかれて、たしかこっちを選んだな」なんて

良く覚えていたりします。

年が経て、自然と好みが変わってきていることに気づいたり

子供の着物姿もだんだん様になってきていたり、良い思い出となっています。



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さて玉川屋の今年のテーマは、「コーディネート」です。



お店へおいでになる方とお話ししても、

HPを通じてメールでやりとりをしていても、

「着物を楽しみたい!」、そんな方が沢山おいでなのを実感します。



ただ、いざ着物を着てみようとなると

日常の生活の中の自然な着物が少なくなり、

雑誌やHPをはじめ沢山の情報が簡単に手に入る分

ぎゃくに迷いの出てしまうことも多いようです。



以前はお家の中で、お婆ちゃまからお母さんへ、お母さんからお嬢さんへ、

  (すみません、男性の方はお祖父さん、お父さん、息子さんに置き換えてください。

   どうしても今は女性の着物の方が多く、女性が先になってしまうのですが、

   男性の着物と女性の着物、Half & Halfとしてゆくのも、これからのテーマです)

また日々の生活の中で何気なく目にしている着物姿

そういった事から、自然と自分の着こなしを見つけたり、

着物に対する知識やしきたり、季節感などを身につけていかれてた事と思います。



特別なお品でなくとも、ごくシンプルな着物であっても

八掛の色合わせでご自分の好みを出し、それに帯を取り合わせ、

帯揚げ、帯締め、半衿、帯留め、といった小物を揃えて

どこかにちょっと季節感をあしらう・・・

  (桜や、藤なんていう季節の柄をあしらえば素敵ですが

   同じ着物と帯でも桜の咲くまでは、花を意識した「桜色の帯締め」

   桜が散ったら元気に色づく、葉の緑を意識して「若葉色の帯締め」

   そんな取り合わせだけでも、十分に季節を楽しむ着こなしが出来るはずです)



着物や帯、小物はあくまでもパーツですので

そこからまだ、今度はそれを自分の雰囲気で身に装う、

  襟元の合わせ具合は?  衣紋の抜きは?  帯の高さは?  結び方は?

  着物の着丈は?  帯の巾は? ・・

 今の季節ならショールだけでも良いかな、

  それとも羽織を羽織ろうかな  羽織の丈は? ・・

 髪型はどんな雰囲気にしようか・・



そうして、お召しになってゆくうちに

自分なりの着物姿というのが出来てきます。



そういう意味で、何か特別なお品をお召しになるのでなくとも

取り合わせ、コーディネートで自分の装いを楽しむという

着物本来の楽しみ方の原点に戻りたいと思っております。




ちょっと話は飛びますが、最近はお客様から

「普段に着物を着たいのだけれど、紬って高いんでしょ」

といわれることが少なくありません。



本来紬は手軽なものでありますが

テレビや雑誌で目にする「紬」は、

伝統工芸品や文化財に指定されているようなお品が多いため

その様に感じられるようです。



染め物でも織物でも、手をかけたお品は

もちろん風合いや見た目など素敵な着やすいお品となります。



ただ、着物はそのお品を単体の値打ちでお召しになるのではなく

先ほど書いたように取り合わせ、コーディネートしてお召しになって

初めて着物姿となりますので、

自分なりの着こなしやコーディネートの感覚を

しっかり持ってからお召しになってこそ

そんな手をかけた特別なお品もより活きてくるはずです。




その人、その人に無限にある着物の楽しみ方、

そんなコーディネートをご提案してまいりたいと思います。



新年にあたり、ちょっと力が入りすぎて

長々とした文章になってしまいました。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。




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玉川屋では今年も、気軽に着物を楽しんでいただくために

イベントや勉強会、展示会などを企画してまいります。

是非お気軽にご参加くださいませ!



1月24日(木)より31日(木)   新春吉例「半額ご奉仕市!」   渋谷 玉川屋にて



   2月9日(土)         江戸小紋の工房見学 & 着物でお食事会



2月15日(金) より20日(水)  「江戸小紋展」   渋谷 玉川屋にて



3月 1日(金)より 7日(木)   おかげさまで渋谷で77周年  玉川屋「喜寿展」



   4月7日(日)         着物でお出かけいたしましょう、 桜を楽しむお食事会(予)



4月12日(金)より14日(日)   きもの呉盟会 「赤札御奉仕市」  港区芝 東京美術倶楽部にて



   5月中旬           「単衣と薄もの」の会 & 越後の機屋さんによる織物のお話(予)




この他にも、

 昨年12月に好評をいただいた、

 染み抜きの職人さんによる「お手入れの講習会」や

 リクエストの多かった、

 仕立屋さんによる「きれいな半衿の付け方の講習会」といった実用的な内容のイベントから



 機屋さんや染め屋さんとの勉強会、

 お着物を着てのお出かけ会、

 気軽に着物を楽しむための「きもの教室」、などなど、



 色々考えてまいります。



  ホームページやメールにてご案内をさせていただきますので

是非お気軽に、お出かけ、ご参加くださいませ!




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ちょっと肌に冷たいくらいの風の吹く季節、

お着物でのお出かけにはちょうど良い時期です。

お着物ご一緒に楽しみましょう!

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