お悔やみの席
'2012-08-17 23:27:19')
こんばんは、玉川屋呉服店の石井貴彦です。
この夏には、厳しい暑さのせいというわけではないでしょうが
不祝儀の装いでの弔問が何度かありました。
喪服のお支度は、
お祝い事と違って必要そうだから準備する・・・
というわけにはまいりませんので、
何事もない無事な時に、厄除けの意味を兼ねてのご用意を
お勧めを致しております。
喪服や黒共帯、白襦袢など一揃いをご用意されて
いつでもすぐに準備のきく帯揚げや帯締めなどの
小物を一つだけ欠いた状態でお納め致します。
通夜の日には地味な色無地を着て、黒の着物を着ないことや
お香典に綺麗な新札を入れないこと、と同じく
急なお悔やみ事に対して、万全のお支度をしていない事が
お気持ちの表し方の一つでもありました。
それでも、急なご準備のお声掛けを頂く事もあり
この夏も、喪服、襦袢、帯の一揃いを
一日半ほどで、ご用意させて頂いたこともございました。
通常のお仕立に加えて、喪服の場合は
さらに紋入れの前加工が必要となります。
以前に祖父より、
いざというときに急な喪服のお支度が
間に合わせられるかどうかが、呉服屋としての大切なこと・・
と、聞かされておりました。
本来なら無理なペースの仕事を
仕立屋さんはじめ、職人さん達が
頑張って間に合わせてくれるかどうかは、
普段からの仕事の出し方や、お付き合いの仕方が
しっかり出来ているかどうか・・・
そんな、日々の仕事への取り組み方が
こうした機会にはっきりしてくるんだよ、
と言うことでした。
冠婚葬祭の場は、
それぞれの方が大事な想いを持ってお揃いになる時でもあり
お着物をお召しになることで、そのお気持ちがより深く表せる
そんなお手伝いがさせて頂ければ、嬉しい限りです。
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