来年の夏もお楽しみに!
'2007-07-13 23:38:45')
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つれづれ
皆様いつも有り難うございます、玉川屋呉服店の石井貴彦です。
おかげさまで夏のお着物をご覧においでのお客様も
今年は特に多く、ブログを始めHPの更新も
申し訳ないながらも、ついつい滞りがちになってしまいました。
そんな夏のお着物のシーズン真っ最中なのですが
ここしばらくは色々な産地へとうかがい
来年の夏の織物の準備の打ち合わせなどもしてまいりました。
お店でお話をすると「今頃から?」なんておっしゃるお客様もあるのですが
ちょうど一番お召しになったり、お求めになったりする時期に
お店でお客様としたお話や、 色や柄、雰囲気のお好みなど
自分の頭の中に明瞭にイメージが出来ているうちにそれを作り手さんに伝えておくことが大事なのです。
こんな風合い、こんな色、こんな柄・・・頭の中では同じように思っていても、
夏の盛りを過ぎ、秋になって、冬になって
時が過ぎて、季節が変わる内には微妙に変わってきてしまいます。
イメージがクリアなうちに、わかりやすく作り手さんに伝える
その事がとても大事なことですので、
毎年この時期には、来年のための準備を始めてまいります。
昨日までは、小千谷縮みや夏の塩沢お召し、粋紗など
越後の産地へ夏の織物のお話をしに行ってまいりました。

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この数年のお客様のお好みを拝見していると
シックな感じから、きれいなお色目へとお好みがうつってきている気がします。
せっかく着物を着るのだから、洋服とは違う着物ならではの雰囲気で、
そんな思いがあるのではないでしょうか。

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実際の反物をベースにアレンジしたり、一から柄をおこしたりして行くのですが
上の写真のように、イタリア製の服地用のカラーチャートを使ったり、
昔の柄見本帳を見返してみたり(配色などは今は使いにくいのですが、縞の間隔や部分的な柄を参考にと使ってまいります)
話を進めてまいります。
誂えなどをして行く場合、染め物は1点ずつ染めてまいりますし、
下絵を決め、生地を決め、いざ染めの工程に入ってからも途中で修正もきくのですが
難しいのは織りの着物になってまいります。
一つには、糸を絣ったり染める所から始めて、織り上がるまではかなり時間を要することになります。
織り上がって出来上がってから、ここをちょっと直して・・というのが時間的にも難しさがありますし
なにより、染め物のように一点ずつの製作工程ではなく、何反分かの糸を用意してから染めに入りますので
思い切っての配色などが難しい所もあります。

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ものを作ってお客様に届けるには、お求めになる方の声やご要望を集め、
それを品物に反映させるマーケティングという作業があります。
車や飲料のメーカーだと市場調査をしたりと大規模に行うこともあるでしょうし、
私共のように口伝えで一つずつ品を揃えて行くことも、規模は違いながらもまたその一つの道であります。
ただ、着物の世界は、作られる過程が昔ながらの分業であり、
今の時代の感覚からすると情報の流れというのがとても緩やかなものであったり致します。
また、以前は着物の産地と消費地が離れていることにより、物流の流れも今ほどにスムーズではなかったことで
伝統的に流通の経路がとても長かったりもします。
着物ならではの色々な流れを考えると、その流通経路もメリット、デメリットそれぞれにあり
近年いわれる流通コストカットが単純によしとはされないのではありますが、
着物を着る方の思いが、作る人たちに伝わりにくい・・という、ニーズや情報の流れをスムーズにする事は
今の時代にはとても大事なこととなってきております。
お召しになる方の感性は、いっそう磨かれてゆき・・・
技術の良い作り手さんの数は、残念ながら徐々に少なくなってくる現実の中で・・
良いマッチングの機会を増やして行くことは
お客様が喜んでお召しになれるお品と沢山めぐり逢うことでもあり、
作り手さんが安心してもの作りに励めることにもなってまいります。
色や風合いを、ああでもない、こおでもない・・などと話し合いながら、品創りをしてまいりますのは
お客様にとっても、私達にとっても、そして作る人たちにとっても
とても夢があって楽しい仕事です。
お召しになる方の気持ちを、作り手さんに伝え
その思いを受けて作られたお品を、お客様にお届けする
それがお品をお売りするだけではない、呉服屋の大事な仕事でもあります。
文章で書くには、いつも、なかなか思っていることを書ききれないのではありますが
お店のお品を通じて、おいで頂いた時のお話を通じて、そしてお召し頂いた時のお着物姿を通じて
そんな思いを、ご一緒に楽しんで頂くことが出来ればと思っております。
こんな着物姿を楽しみたい・・・
そんなリクエストをお気軽にお寄せ下さいませ。
お声を作り手さんにきちっとお届け致します。
お召しになっているお着物や帯の、向こう側にいる作り手さんの気持ちを思いながら、お着物を楽しんでみて下さい!