江戸小紋の工房見学へ行ってきました。そして、染色の体験も!


今日から、渋谷のお店では「江戸小紋展」を開いておりますが

それに先だって先週末には、昨年の夏に続き

江戸小紋の工房へ見学に行ってまいりました。



前回は真夏の暑い最中で、今回は真冬と

厳しい気候の時期ばかりとなってしまいましたが

かえって、それでもその中でお仕事される様子をご覧頂けたことで

皆さん色々思われることも多かったようです。



まずは、板場で型紙や染め付けの様子を拝見しました。



つづいて、「蒸し」や「しごき」、「色合わせ」、「水洗い」、「補正」など

一通りの工程を拝見しましてから、今度は自分で袱紗に糊を置く染め付けの体験を致しました。



袱紗に二つの柄を染めるため

境目にテープを貼り、指導を受けながら型紙に糊を置いてゆきます。

さっきまで職人さんが手際よくやる様子をみていたので

自分も同じように、さっと・・・ と思いながらも、なかなか手が動かず、

それでも何度か繰り返す内にずいぶん皆さん手際がよくなってまいりました。



表に型紙を使い糊を置いて、地色を染めて、後日袱紗に仕立ててお手元にお届けします。

どんな風に染め上がるか、出来上がるまで皆さんお楽しみのことと思います。





今回は、私も糊置きをご一緒に体験してまいりました。

着物で伺っていたので(良く見えないかもしれませんが、男物の小紋の着物です)

たすきを掛けていたしました。

動くのに邪魔なのは袂だけですので、こんな風にたすきを掛けてしまうと

着物もずいぶんと仕事しやすいものです。





真上からかがむようにして、手だけを動かすのではなく体全体で

糊を手前から向こうに置いてゆきます。

たしかに、手だけを動かすと型紙とヘラの角度が自然と変わってしまい

型紙の奥の方まで糊が着いてゆかないのです。

そんなことを思いながらしている内に、だんだん手前から向こうの方まで

自然と糊も届くようになり、やっぱり自分で体験してみて感じることの大切さを

あらためて思いました。



私は染めるときに二つの柄をおかず、一つの柄で型を継いでみたのですが

型紙の「ほし」と呼ばれる小さい点を使い型を継ぐ方法は

以前から教えてもらっており、良くお店でお客様にもお話ししていたのですが

いざ自分でして見ようとすると、最初は全然位置の分からないくらいの点で

苦労しながらの型継ぎでした。



一反約12メートルの生地に、数十回と型を継いでゆく様子を何回も拝見していますが

伺うと、型紙それぞれにも微妙に彫りのクセや型継ぎのクセが有るようで

それを把握しながら、少しづつ調整して型を継いでゆくとのことで

何気なくさらっとこなしているようで、細かい注意を払いながらの手仕事が

あらためてよく分かりました。



最後に、染め上がりの品を見ながらお話を伺ったのですが

印象に残ったのは、

工程をずっと見てくると、細かい作業や、色合わせ、補正などの

技術的なものに目がゆきますが

じっさいは、着てみてどれだけお洒落が楽しめるかということで

結局は色や雰囲気のセンスが大事・・ というお話でした。



手彫りの型の手染めの品から、もう少し簡易なスクリーンの型を使ったお品まで

色々なお品がありますが、どれが良いとか上とかいうのではなく

どんな風に自分の雰囲気でお着物をお召しになるか、

そのことが一番楽しいし、大切な事で

そんな時に、きっと今回のように直に感じていただいたことが

参考になることと思います。



これからも、色々な企画も立ててまいりたいと思いますので

どうぞ皆さまお気軽にご参加下さいませ。



 

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